『ビュッフェ』と『バイキング』の意味の違いと使い分け例

意味の違い

『ビュッフェ』と『バイキング』…とても聞きなれた言葉ですが、そう言えば、なんとなくこの言葉を使っているかも…と感じる場面はありませんか。

『ビュッフェ』と『バイキング』の違いを確認して、日常語の使い方をちょっとだけグレードアップしてみましょう。

『ビュッフェ』

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  • 意味 :フランス語から派生した言葉。「立食」「軽食」を指す
  • 使い方:ビュッフェは食べ放題とは限らないよ。

『ビュッフェ』は世界共通の言葉です。もともとはフランス圏内で、「飾り棚」を指す言葉として使われていました。

その昔、フランスで「飾り棚」に置いた軽食を立ったままのスタイルで食べることが流行したことから、立食や好きな軽食を取り分ける形式の食事を指して、「ビュッフェ」と呼ぶようになりました。

「立食」、「軽食」を意味するほか、劇場内の食事設備や鉄道の食堂車を指して使われる言葉でもあります。現在では、セルフサービスの食事を指して使用されるシーンが多くなってきました。

 

ここで注意しておきたいのが、日本と海外での言葉の認識の違いです。日本では食べ放題を指して使う場面が多いと思いますが、海外では食べ放題という意味に限って使われる言葉ではありません

セルフサービスではあるものの、食べ放題の金額は決まっておらず、自分で食べたい分だけの食事を取り分け、最後にその分の食事代を個々に支払うといった形式をとる食事設備が海外には多くあります。

国内ではあまり馴染みのない光景かもしれませんが、要するに食べ放題形式以外のセルフサービスの食事を指して使われる場面もある!ということですね。

 

日本では決まった料金さえ支払えば、食べ放題、飲み放題になるというスタイルをとっているお店が多いのに…とは思いますが、ここが海外との認識の大きな違いです。

食べ放題に限らない、立食やセルフサービスの食事を指して使われるシーンもあるので、海外旅行の際などには注意が必要な言葉です。

『バイキング』

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  • 意味 :「食べ放題」の食事を指す和製英語。
  • 使い方:食べ放題のバイキングは日本で生まれたんだよ。

『バイキング』は日本だけで通じる英語、いわゆる和製英語です。

この言葉が日本で使われ始めたのは、今からちょっと時代をさかのぼった1958年ごろのこと。日本国内の有名ホテル内にオープンした、その名も「バイキング」というお店が語源だと言われています。

当時、お店の食べ放題サービスがあまりにも人気だったため、そこから食べ放題という意味で日本国内だけに広まり、それが定着し現在に至るという訳です。

 

当時人気を博したお店の食べ放題サービスは、北欧スウェーデンの「スモーガスボード」という、食べ放題形式の食事スタイルを取り入れたものでした。

しかし、「スモーガスボード」という言葉はどうも日本人には馴染みがありません。店名を決めかねていた中、ちょうど公開中だった同名の海賊映画に出てくる食事シーンが強烈だったこともあり、この店名に決まったのだとか!

それ以降、日本国内では、決まった料金だけを支払って食べたい分だけを食べる食べ放題の食事形式を指して、この言葉を使うことが一般的になってきました。

 

しかし、和製英語であるこの言葉は、ビュッフェとは違って、海外ではまず通じない言葉だと考えていた方が良いでしょう。海外旅行の際などには十分な注意が必要です。

例えば現地人に対して、食べ放題の意味でこの言葉を使って話しかけても全く意味は通じません。こういうところが和製英語の弱点ですよね…。

ただし、ハワイなど日本人がよく訪れる地域では日本人向けに使われている場合もありますよ!

まとめ

  • 『ビュッフェ』…世界共通のセルフサービスの食事(食べ放題とは限らない)。
  • 『バイキング』…日本だけで通じる食べ放題サービスの食事。

日本ではあまり意味の違いを考えずに使われている言葉ですが、日本と海外では意味の違いが大きいということが解りました。

意味の違いを知っていないと、場合によっては恥をかいてしまうかもしれませんね…。