意外と難しい!『整理』と『整頓』の意味の違いと使い分け

意味の違い

”整理整頓”と一言で言ってしまうことが多い『整理』と『整頓』はそれぞれ別の言葉として使用することもできます。まとめて使っていると違いがわからなくなってしまいますが、実際に行う作業内容には違いがあるので区別しましょう。

『整理』

  • 意味:乱れた状態のものを要不要を区別して片付けること。
  • 使い方:イベントが終わったから書類を整理して引き継ぎの準備をしておく。

『整理』は「乱れた状態にあるものを必要か不必要かを区別して片付けること」を意味します。

広義にはただ乱雑になっているものを整った状態にするという意味もありますが、特に注意しておきたいのがいるかいらないかを判断する点です。多くのものが散らかっているときに、それを整然とした状態にするためには、まずは要不要の取捨選択を行うというプロセスが重要になるでしょう。それが『整理』の本来の意味です。

乱れた状態から使える状態や場所がわかる状態にするために、残すのに理に適っているものだけを選んで整えるという意味を持ち合わせています。ただし、必ずしも何かを捨てなければならないというわけではありません。ただ乱雑さを解消する目的でも使用することは可能です。

また、整え方にも特に決まりはなく、見た目で乱れていない状態にするというレベルから、整然としていて美しい状態にするレベルにまで使用できます。

『整頓』

  • 意味:乱れた状態にあるものを秩序立てて整えること。
  • 使い方:これから始まるイベントに備えて書類を整頓しておく。

『整頓』は「乱れた状態にあるものを必要なときにすぐにわかるように整えること」を示す言葉です。

いくつものものが重なって積まれていると何がどこにあるかがわからず、その中の一つを早急に取り出して使用したいというときに困ってしまうでしょう。そのときに何がどこにあるかわかるように整然と並べるような行為を示す表現です。

ただ整えることだけに主眼が置かれる『整理』とは異なり、見た目を整えるだけではなく、使用することを考慮してわかりやすく秩序立てて並べるという意味合いがあります。また、いるかいらないかといった取捨選択を行わないのが基本となっていて、乱雑になっているものを全て残したままで使いやすい状態に秩序立てて整えるという意味があるのが特徴です。

そのため、『整理』を行うといらないものが見つかって捨てることになる場合がありますが、『整頓』をしたときには全てが残ることになります。

『整理』と『整頓』の使い分け例

『整理』と『整頓』は要不要の取捨選択を行うかどうか、整理した結果が秩序立っているかを考えると区別できます。

「机の中を整理する」というときには、机の中を見ていらないものを捨ててしまうことで整った状態にすることを意味するのが基本です。それに加えて机の中にあるものを配置しなおすこともあるでしょう。

一方、「机の中を整頓する」の場合には机の中にあるものを配置しなすことで、使い勝手が良い状態にしたり、何がどこにあるかが明確にわかるようにしたりすることに主眼が置かれます。その際に基本的には何も捨てることなく、配置を変更することだけに集中するのが特徴です。

これが「机の中を整理整頓する」となると両方を同時に行うことになり、要らないものをまず捨ててしまって、それから机の中で何がどこにあるかがはっきりとわかるように配置変更をするという意味になります。両者は似て非なるものなので、片方だけを行うこともできますが、両者を合わせて行う場合には「整理整頓」の一言で表すことができるのです。

まとめ

乱れている状態のものに秩序をもたらす方法には二つあります。一つが『整理』することで、いるものといらないものを区別して不要なら捨てるという方法です。もう一つが『整頓』することで、使いやすいように秩序立てて並べなおすことになります。このような二つの方法があると理解しておくと『整理』と『整頓』の区別ができるでしょう。