知っとくべき!『銭湯』と『温泉』の意味の違いをズバリ解説

意味の違い

銭湯と温泉は似ているので混同しがちですが、似て非なるものです。どちらも日本ならではの存在なので、銭湯と温泉を間違えると恥ずかしい思いをするかもしれません。そんな銭湯と温泉の違いを説明するので、参考にしてください。

『銭湯』

銭湯は、かつて日本に家庭風呂が普及していなかった頃に多く営業しており、日々のお風呂や憩いの場としての役割を果たしていました。しかし現在は家庭風呂が広く普及しているので、その数は都市部でも減りつつあります。

近隣住民の日々のお風呂なので、そこに満たされるのは温泉ではなく沸かし湯です。なので家のお風呂でも銭湯でも、基本的に浸かる水は同じです。ただ、場所によって良質な地下水を使っていたり特殊な機械で人工的に二酸化炭素を発生させるなど工夫し、お客様を呼び込もうとしている所もあります。

内部は場所にもよりますが最低でも十人は楽に入れるようになっていて、浴槽も家のお風呂では考えられないような広さを誇ります。料金は各都道府県によって異なりますが、大体300円後半から400円台前半の範囲の料金を支払えば入浴できます。

安価なのでシャンプーやボディソープ類などの備え付けはしていない場合が多く、お客様を呼び込む為に設置したり石鹸だけを置いている場合もあります。なので入りに向かう際はソープ類やタオルなどを全て持参する必要があり、もし持っていなくても使いきりのソープ類をその場で購入することが可能です。単に湯に浸かって温まるだけでなく、近年は気泡やジェットなどが出る浴槽が登場し多くのお客様を満足させています。

家のお風呂が広く普及している現代では、地域住民のコミュニケーションの場としてその存在が再評価されています。銭湯は、建てられてから時間が経過しているものが多いので、その多くが古くなっていますが、その鄙びた雰囲気を評価する声も多いです。

『温泉』

温泉は、地中から湧出した液体やガスを使用しなければなりません。なので銭湯のように沸かしたお湯なのに偽って営業をすれば当然罰せられることになります。問題は、地中から出た液体が、温泉法という法律に定められている基準を満たすか否かです。

例えば、地中から出た液体が25℃を超えていれば基準をクリアします。しかし25℃を下回れば基準をクリアしないということではなく、含まれる成分によっては基準をクリアすることもあります。

古来から、人々の薬の代わりとして発展してきました。現代もありますが湯治という風習で体の調子を調えて明日への活力としていました。湯に入ることによるリラックス効果や、湯に含まれる様々な成分によって人々の体は癒されていきます。その役割は今でもほとんど変わっておらず、宿泊形態は湯治のように何週間も滞在する訳ではありませんが、主に一泊二日で湯を堪能して体を癒しています。

沸かし湯ではないので、湯を通している内に成分がパイプにこびりついてしまったり、床や浴槽の縁に析出物が形成されることがあります。析出物は石のように固くなるので注意しなければなりませんが、濃い湯の証ともなります。また遊離硫化水素ガスを含む場合は換気にも注意する必要があり、怠ってはいけません。入湯税という税金もあり、温泉に入ったら誰もが支払わなければならないものです。

このように、様々な成分が含まれていてその湯の個性は各地で違います。そんな地域性や特異性は銭湯の沸かし湯では堪能できない部分です。形態も、掘削して無理矢理吸い取っているケースや自噴しているケースなど様々あります。

まとめ

銭湯と温泉の違いを簡潔にまとめると、沸かし湯を使っているか地中から出た液体やガスを使っているか否かです。そして誕生した経緯も銭湯は人々の日々の入浴の為で、温泉は薬の代わりとして利用されてきました。裸で入浴するという点は同じですが、まさに似て非なるものです。