必見!『ください』と『下さい』の意味の違いと使い分けの例

意味の違い

皆さんは『ください』と『下さい』の違いをご存知ですか?

どちらもよく使われている言葉ですが、ふとした時に「あれ?この使い方で合ってる?」と思う人も少なくないのではないのでしょうか。

今回は2つの「ください」の違いと使い分けの例を解説していきたいと思います。

『ください』

writing-1209700_1280
  • 意味:相手に何か物事を請い求め、動作をする人に対しての敬意を表す(please
  • 使い方:~をご確認ください。~を確認させてください。

『ください』は、相手に何か物事を請い求める意を表す助動詞で、動作性のある言葉の後に付けて用いられます。

また、物事をお願いする相手に敬意を表す言葉なので尊敬語・丁寧語として使う場合はひらがなで表記します。さらに、「~させてください」の形で自分の行動について相手に許しを求める意を表します。

例えば仕事上で、先方さんにメールに添付したデータを確認して欲しい場合は、物事をお願いする形になるので「添付したデータをご確認ください」となります。

特に仕事のやりとりでは、自分が思っている以上に受け手の人は細かいところまで見ているものです。書類、手紙、メールなど正しい使い方で相手に伝え、良好な関係を築きましょう!

『下さい』

hand-506754_1280
  • 意味:物をもらう、何か物を手に入れたい意、請求の意の尊敬表現または丁寧表現(give
  • 使い方:飲み物を下さい。

『下さい』は何か物を手に入れたい意、請求の意を表し、本動詞「くれ」の尊敬表現や丁寧表現として用いられます。

また漢字表記の「下る」には、高い地位の人から下げ渡されるという意味もあり、漢字で「下さい」と表記すると上から目線の言葉になる恐れがあります。簡単な漢字ですのでついつい何気なく書いてしまいがちですよね。

その一方で実は文部省の基準では、公的文章こそ表記の仕方が定められているものの、私たちが普段何気なく書く文章についてはそういった決まりがありません。ということは、区役所や市役所等で用いられる公的文章で無い限り、漢字を用いても問題はないとされています。

ですが、社会に使い分けが浸透している現在、仕事上の文面や目上の人とのやり取りにおいては、漢字表記の『下さい』は用いないのが無難と思われます。

『ください』と『下さい』の使い分けの例

hand-1549224_1280

『下さい』と『ください』のそれぞれの意味を確認しました。ここで、使い分けの例をいくつか見て行きましょう。
具体例を確認することで、より理解が深まりますよ!

「メガネを取ってください」と「メガネを下さい」

  • メガネを取ってください・・・相手にメガネを取って欲しいと頼んでいる(尊敬表現・丁寧表現)
  • メガネを下さい・・・メガネ(物)を要求している(手に入れたいと思っている)

「メガネを取らせてください」と「メガネを取って下さい」

  • メガネを取らせてください・・・自分がメガネを取ることを相手にお願いしている(取るという行動をすることの許しを求めている)
  • メガネを取って下さい・・・「取って」と「下さい」がどちらも動作を表すので、相手にメガネを取って欲しいと頼んでいる上に、そのメガネを要求している。

一見するとややこしい文章に見えますが、『ください』を用いた文章は行動を、『下さい』を用いた文章は物を要求しています。”

まとめ

以上、『ください』と『下さい』の違いと使い分けについての解説でした。

それぞれの意味・使われ方をまとめると、

  • ください(please)・・・相手に何か物事を請い求め、動作をする人に対しての敬意を表す。行動の要求
  • 下さい(give)・・・物をもらう、何か物を手に入れたい意、請求の意の尊敬表現または丁寧表現。物の要求。

コンピューターやスマートフォンが普及し、普段何気なく変換して使っていた『ください』と『下さい』。それぞれ混同して使いがちな言葉ですが、実は意味や使われ方の違いがありました。

これを機に自分の文章を見直してみてはいかがでしょうか。

「無意識で使い分けられていた!」「全部漢字を使ってた・・・」「あの時注意されたのはマズイ使い方をしてたからだったのか・・・」など、新たな気づきがあるかもしれませんよ!