これで大丈夫!『気象衛星ひまわり』と『アメダス』の違い

意味の違い

天気予報を聞いているとよく聞くことになるのが『気象衛星ひまわり』と『アメダス』です。どちらも気象観測に用いられているのは確かですが、何が違うのでしょうか。全く違うものなので区別することが欠かせません。

『気象衛星ひまわり』


※写真はイメージです。

  • 意味 :日本の所有している気象観測のための静止衛星の愛称。
  • 使い方:気象衛星ひまわりからの衛星写真を元にして天気を予測する。

『気象衛星ひまわり』は「日本の気象観測をするために打ち上げられた静止衛星の愛称」です。正式名称は静止気象衛星GMSとなっています。

1977年に最初のひまわりの打ち上げが行われ、それ以後も繰り返して2014年には8号が打ち上げられてい運用されているのが現状です。宇宙にあることから得られる情報は観測地点での降水量などの数値情報ではなく、広域に渡る衛星画像が基本となっています。転送されてきた画像情報に基いて雲の動きを把握してその後の動きを予測したり、気流の変化から気圧配置を予報したりすることができるのが特徴です。

また、海面温度などもセンサーにより情報取得ができるため、その情報に基いて海流の状況などについても予報することが可能になっています。一方、広域における観測情報が得られるため、日本に限らず周囲のアジア各国に対しても情報提供が行われているのが現状です。

『アメダス』


※写真はイメージです。

  • 意味 :気象庁が日本国内に設置している無人の気象観測施設の略称。
  • 使い方:アメダスから送られてきた情報で現在の気象状況を把握する。

『アメダス』は「気象庁によって日本各地の気象観測を行うために設置された無人気象観測所」です。正式名称は Automated Meteorological Data Aquisition System となっていて、その頭文字を取って「AMeDAS」とされています。

2016年の時点では全国におよそ1300の観測所が作られていて運用されていることから、実質上全国各地での観測が可能です。観測地点での降水量、気温、日照時間、風速、風向といった気象要素を観測していて、それを数値のデータとして集約するのに役立てられています。

集約されたデータから降水量などの同様の気象要素についての数値予報に直接活用されているのが現状です。無人で運用されていることから災害などが起こった際にもデータを収集することができるというメリットがあります。その点では『気象衛星ひまわり』と同様のメリットがあると言えるでしょう。

『気象衛星ひまわり』と『アメダス』の使い分け例

『気象衛星ひまわり』と『アメダス』は気象観測に用いられている点では共通していますが、存在している場所も得ている情報も大きく異なります。「気象衛星ひまわりからの情報を元にして天気予報をする」というときには衛星写真や海面温度に基いて、気圧配置や雨雲の動きなどを考えて天気予報を行うという意味です。

一方、「アメダスからの情報を元にして天気予報をする」となると、各地の気温や日照、降水量、風向、風速のデータから判断して、天気そのものを予報したり、気温などの気象要素がどの程度のになるかを予想したりすることになります。このように観測場所も観測の仕方も違うことから、使い分けるだけで得られる情報も違うのです。

一方、「気象衛星ひまわりを新たに打ち上げる」ことはできますが、「アメダスを新たに打ち上げる」ことはできません。日本の静止衛星として利用されているひまわりは宇宙にあることから打ち上げる必要があるものの、アメダスは地上観測所なので打ち上げるものではなく、設置や建設をするものになります。

まとめ

気象観測に利用されている『気象衛星ひまわり』と『アメダス』の違いは観測点と観測している情報が違います。『気象衛星ひまわり』は日本の静止衛星として気象画像を観測するものですが、『アメダス』は全国各地に無人気象観測のために設置されて気温、日照、降水量、風向、風速を主に観測しているものです。