ピーマンも色が変わる?!『ピーマン』と『パプリカ』の違い

意味の違い

同じような形をしている『ピーマン』と『パプリカ』の違いがわかるでしょうか。それぞれがどのような植物なのかを確認してみると意外に区別するのが難しいことがわかります。見た目の色だけで判断しないようにしましょう。

『ピーマン』

  • 意味:ナス科トウガラシ属に属する辛味のない品種の一つ。肉薄で細長いものが多い。
  • 使い方:緑色のピーマンは苦味が強いものが多いと言われています。

『ピーマン』は「ナス科トウガラシ属のうちで辛味がない品種の一つ」です。

漠然としたイメージとして緑色をしていて小ぶりなものと考えている人が多いでしょう。しかし、赤色や黄色、橙色、紫色などのものもあり、これらは『パプリカ』とは異なっています。この色の違いは品種の違いとどれだけ成熟させたかによって生まれるものです。

もともとの実は緑色をしていますが、これはまだ未熟な状態です。多くの品種についてはそのまま育てていると実がだんだんと色づいてきて赤色や黄色などの実に変化していきます。大きさとして国内で流通している品種は比較的小ぶりですが、これは未成熟のまま収穫して出荷しているからというのも理由です。

実際には成熟させても緑色のままのものもあり、国外では大きなものも市販されています。一方同じナス科トウガラシ属の植物としてトウガラシやシシトウが知られていますが、これらとの区別は成分として辛味をもたらすカプサイシンを含まないことから区別ができるでしょう。

しかし、『パプリカ』との区別はあまり容易ではありません。品種の違いによって多少の差はありますが、『ピーマン』は肉が薄めで細長く、青臭い風味が強いのが一般的です。また、見た目の形状として『パプリカ』の方が丸くてずんぐりとしたベル状になっているのが特徴となっていることから、区別をする際には形状に着目するのが賢明でしょう。

『パプリカ』

  • 意味:ナス科トウガラシ属に属する品種の一つ。肉厚で辛味が少なく、甘みが強い。
  • 使い方:おいしいパプリカは生のまま食べても甘くてフルーツのようです。

『パプリカ』は「ナス科トウガラシ属で肉厚な品種の一つ」です。

『ピーマン』との対比として赤色や黄色、紫色などのカラフルなものがあって緑色のものはないと考える人もいますが、それは厳密には正しくありません。『ピーマン』と同様に品種によって色は多彩になっていて、『ピーマン』と同じ緑色の品種もあります。成熟の程度によって色が決まっているのも確かなので、未熟のまま収穫すれば緑色のものも手に入れることが可能です。

しかし、『ピーマン』と違って一般には成熟させてから収穫していて、そうすることに意味もあります。成熟させることによって実の中に果汁を含むようになって甘みを増す品種が多いのです。果汁を含むために必然的に『ピーマン』よりも肉厚になり、実も大きくなります。甘みが強いことからフルーツのようにして生のまま食べてもおいしいのが特徴です。

また、『ピーマン』と同様にカプサイシンを含まないか、微量しか含んでいないことから辛味を感じることはあまりありません。ただし、香辛料として使用されることもあり、品種によっては辛味成分を含んでいます。

一般的に『パプリカ』として日本で流通しているものについては辛味成分を含まない品種ですが、世界的には必ずしも甘い品種ではないという点に留意しておくと良いでしょう。また、色素成分を抽出しやすいことから着色料の原料としても用いられています。

まとめ

ナス科トウガラシ属の実には食卓に並ぶものがたくさんあります。その中の一つとして『ピーマン』は細長くて肉薄な実をつける品種ですが、『パプリカ』は肉厚で甘い果汁を含んでいるベル状の実をつけるのが特徴です。