ちゃんと使い分けできてる?!『商品』と『製品』の違いは?

意味の違い

企業で取り扱っている品物を示す表現として『商品』と『製品』が用いられます。同じ品物を指す場合でも状況に応じてどちらか一方を使用しなければならない場合もあります。この二つの表現には一体どのような違いがあるのでしょうか。

『商品』

  • 意味 :交換や売買などの商売のために用いられる品物。
  • 使い方:入荷した商品を陳列棚に並べる。

『商品』は「商売のために用いられる品物」です。ある品物が商売目的であるかどうかが判断基準となるため、交換や売買などの目的を持って取引あるいは管理されている間だけ該当します。まだ生産された時点では商売のために用いられるものではなく、ただの品物あるいは生産物、製品などという状態です。

また、商取引が一通り終わってしまい、消費者の手に渡って使用されるだけになってものも該当しません。その間に流通しているときには卸売業者の手にある間も全て該当します。必ずしも一般の消費者の手に渡るときの状態であるかどうかは問題ではなく、製品でなくとも原料であっても問題はありません。それが交換や売買に用いられる品物として認められるかどうかが問題です。

基本的にはその状態になったら加工されずに販売することが目的となっていることも特徴となっていて、それ以後にまだ加工を施す場合にはそれが終えられてから商品になります。

『製品』

  • 意味 :原料に手を加えることによって作った品物。
  • 使い方:完成した製品を工場から出荷する。

『製品』は「原料に加工を施してできた品物」です。基本的にはその場所で行われる製造工程を全て完了して完成したものを指します。原料として入荷したものに対して何らかの手を加えて別のものに変えているのが特徴です。

野菜や果物のように手を加えずに販売される品物は該当せず、加工食品やフラワーアーチなどに加工されることによって該当するようになります。原料として他社で加工されたものを利用できるため、加工品を仕入れて自社で加工することで製造することも可能です。

また、『商品』との関連性で理解しておかなければならないのが、仕入れて販売をするときの表現であり、仕入れたものに対して加工を施さない場合には自社『商品』となります。裏を返せば、少しでも手を加えることができれば自社『製品』として扱うことができるようになるのです。このように、原料に対して加工を施した場所によって、どこの会社で製造したかにも違いが生じます。

『商品』と『製品』の使い分け例

『商品』と『製品』は「商売の目的で使用するかどうか」と「加工が施されているか」について考えると正しく表現することができるでしょう。先に述べた「自社商品」「自社製品」の理解を掘下げておくと区別がしやすくなります。

「自社商品」の場合には自分の会社で販売などの商取引を行う目的で使用する品物です。その商品はそのままの形で取引先に提供されることになります。一方、「自社製品」のときにはまだ販売などを行う段階にありません。これをさらに工場で加工して販売目的の製品にする場合もあれば、検品をすれば「自社商品」となる場合もあるでしょう。

一方、「自社製品」でありながら「自社商品」とはならないケースもあります。その製品が自社で行う生産活動などに用いるために製造されたものであって、商売の目的で使用されないこともあるからです。工場で使用する機械は自社で製造して使用するという場合もよくあります。このときには「自社製品」として自社で使用してしまうため、「自社商品」として取引されることはありません。

まとめ

企業で扱っている品物を区別するときには『商品』と『製品』の使い分けが必要です。加工は行わずに商売に用いるものは『商品』、原料を仕入れて加工を終えたけれど商売に用いる段階に入っていないものは『製品』となります。