時間帯だった?!『夜中』と『深夜』の意味の違いと使い分け例

意味の違い

夜の遅い時間を表す表現としてよく用いられるのが『夜中』と『深夜』です。これらには明確な違いがあるのでしょうか。夜の特定の時間を示すときに誤解を招いてしまわないために違いの根拠を理解しておくと良いでしょう。

『夜中』

  • 意味 :夜の時間帯。
  • 使い方:夜中まで仕事をする。

『夜中』は「夜の時間帯」を示す表現です。明確に何時から何時までという定義はありません。夜になってから朝になるまでの時間帯のどこかを指すというものであり、人によって持っている印象に違いがあります

全国的に行われた調査の結果によると、時間帯として午後11時頃から午前2時頃を示すと考えている人が多いのが現代での状況です。時代によって人の活動時間も変わることから、だんだんと夜が遅くなっている事情を考えると年齢層によっても印象に違いがある可能性もあります。習慣による影響もあり、もともと早寝早起きをしている人にとっては夜は早くやってくるでしょう。

このため、話をしている相手の夜に対するイメージによって適切な時間帯を示しているかどうかを考えて使う必要があります。ただし、概してそろそろ眠る時間というイメージを持っているのが『夜中』の特徴です。日没の時間帯よりは十分に遅く、日の出よりは十分に早い時間帯を示すことは理解しておく必要があります。

『深夜』

  • 意味 :夜の遅い時間帯。午前0時。
  • 使い方:深夜になるまで布団で本を読んでしまった。

『深夜』もまた「夜の時間帯」を示す表現であり、『夜中』と同様に明確に何時から何時までという定義があるわけではないのが事実です。しかし、『夜中』と異なるのは夜の遅い時間を示すことが多く、人があまり起きて活動していない時間帯を示すことが多いのが特徴となります。

全国的に行われた調査結果によると、印象としては午前0時頃から午前2時頃をという人が多いのが実情です。イメージによって時間帯が異なるため、注意して使用する必要があります。『夜中』のイメージと異なるのは、既に人が眠っている時間帯を指しているという点であり、必然的に『夜中』よりも1、2時間は遅くなるでしょう

しかし、明け方よりは十分に早い時間帯である点では『夜中』と同じになるのです。また、『深夜』の使い方として時間帯を示すのではなく、真夜中の午前0時のみを示す用例もあります。この使い方では『夜中』と明確に区別されるので注意しておきましょう。

『夜中』と『深夜』の使い分け例

『夜中』と『深夜』は夜の時間帯を示す表現ですが、本人の持っているイメージによって使い分けられてしまいやすいことから区別が難しいでしょう。しかし、『夜中』よりも『深夜』の方が遅い時間帯を示しているので、通常は活動していないという印象を与えることに注意すると使い分けが必要な場合があります。

「夜中までテレビを観ていた」という話を聞いたときにはテレビで観ていた番組の内容として映画やアニメ、ドラマなどの様々なジャンルのものを想像するでしょう。それに対して、「深夜までテレビを観ていた」というと、アダルト番組などの他の人に観ている姿を見られたくないような番組を観ていたというイメージを持たれてしまう可能性が生まれます。

また、「夜中まで起きて勉強していた」「深夜まで起きて勉強していた」という二つの表現を比較すると、前者に比べて後者の方がより遅くまで起きて勉強していてよく頑張っていたという印象を与える一方で、寝不足で翌日に何か支障があったのではないかと想像させることになります。

まとめ

夜の時間帯を示す『夜中』と『深夜』には明確な区別はありませんが、『深夜』の方がより遅くて人が活動していない時間帯を示します。その結果として相手に抱かせるイメージに違いが生じるため、意味を含ませたいときには深夜を用いると良いでしょう。