時計の長針も短針も真上を指したときに、この時刻はどのように表現したら良いのだろうと迷うことがありませんか。12という文字を見て『午前12時』や『午後12時』ということばが思い浮かぶでしょう。この二つの違いはを区別できるでしょうか。
『午前12時』
- 意味 :午前に相当する最後の時を示す言葉。正午。
- 使い方:お腹が空いたと思ったら午前12時を回っていてお昼を食べるのを忘れていました。
『午前12時』は「午前の最後の時」を示す表現です。「正午」や「午後0時」と言うこともできます。時刻の数え方を考えるといつを指すのかが明確にできるでしょう。
正午を境目として、それ以前が「午前」、それ以降が「午後」とされています。この二つを合わせると一日ができあがるというのが基本的な考え方です。その「午前」の開始点になるのが「午前0時」となり、真夜中に時計の長針と短針が真上に向いている時間を指し示します。これから1時間が経過するにつれて午前1時、午前2時と数え上げていき、その12番目になったときが『午前12時』です。そのため、お昼の12時を指す言葉として「正午」を表すことにもなるのです。
同時にこの時刻は午後の始まりを示すことにもなるため、「午後0時」という表現もできるということになります。ただし、分や秒の単位まで考えると、少しでも正午を過ぎたら厳密には午後という表現をするのが適切です。
『午後12時』
- 意味 :午後に相当する最後の時を示す言葉。正子。
- 使い方:午後12時を過ぎても働いていることを、放送業界の業界用語でてっぺんを越すと言います。
『午後12時』は「午後の最後の時」を示す表現で、「午前0時」あるいは正午の対義語に相当する「正子」と言うこともできます。
『午前12時』と同様にして数え上げる方法によって考えることが可能です。即ち、一日のうちで「正午」を過ぎた「午後」の時間における12番目を指している言葉と言うことができます。正午を午後0時として考えて1時間ごとに数え上げていくと12番目に相当するのが「正子」になるのです。
同様にしてこの時刻が「午前」の始まりでもあるため、「午前0時」と表現することもできます。また、この時刻のことを真夜中という人もいますが、厳密には「正午」の対義語は「正子」となっていて、真夜中はより広く「正子」の前後の時間を示している点も知っておくと良いでしょう。夜中に時計の長針と短針が共に真上を指したときが『午前12時』を表しています。
『午前12時』と『午後12時』の使い分け例
『午前12時』と『午後12時』は真逆の時刻を表すため、意味さえわかっていれば使い分けに困ることはありません。
「午前12時に食事をした」というときにはお昼の12時に食事をしたということになり、昼食をちょうど正午にとったことを表します。一方、「午後12時に食事をした」という場合には、夕食が遅くなって夜中の12時になってしまったというケースや、夕食をした後にお腹が空いて夜食を夜中の12時に食べたというケースが想像できるでしょう。
「午前12時が締切だと知って急いで仕事をした」という場合には朝から仕事を始めて、昼の締切に間に合うように必死に仕事をしたという意味になります。「午後12時が締切だと知って急いで仕事をした」となると、朝から必死に仕事をしている可能性もありますが、夕方から仕事を始めて夜中に向かっている様子を表していることもある表現です。
このように、昼か夜かという点で大きく異なるのが『午前12時』と『午後12時』なので、使い方に応じて相手に伝えられる意味も大きく異なります。
まとめ
時計の針が両方共真上を示す12時は二つあります。昼の12時を示すのが『午前12時』、夜の12地を示すのが『午後12持』です。それぞれ午前や午後の12番目の時という理解をしておくと紛らわしくなくなるでしょう。