”こうたい”という日本語には『交代』と『交替』がありますが、変換したときに「どっちを使えばいいんだろう?」と迷うことはありませんか?
今回は『交代』と『交替』の意味の違いと使い分けについて解説していきます。
『交代』と『交替』の使い分けに悩んだ時にぜひ参考にしてみてください。
『交代』
- 意味:順番や役回りを変わること、一回限りで終わる役目を変わる時をさす
- 使い方:世代交代、選手交代
「交代」は仕事などの順番や役回りを変わることをいいます。そしてその役目などが一回限りで変わることをさして使います。
さらに、元々前の人がしていた仕事を、他の人が受け継いでいくといった入れかわりの意味があります。そこから「交代」はその役目を変わったら、もう元に戻らないことをさして使います。
たとえばAがBと代わったあと、もうAはその仕事や役割には戻らないということです。しかしスポーツの世界において使った場合、スポーツの種目のルールによっては交代した選手がまた同じ試合に出る可能性はないともいえません。
矛盾しているようにも思えますが、その選手がまたその試合に戻る可能性は低く、また必ず戻るという保証があるというわけではないため、そこまで細かく使い分けをしていないのが現状となっています。
『交替』
- 意味:変わって行うことが何度も繰り返される、中に入っているものを出して、別のものをいれる
- 使い方:当番を交替する、仕事を交替する
「交替」は、かわって行うことが繰り返されるときに使います。一度きりではなく、当番などで決められた人が一定の期間や周期で別の人と変わり、それを何度も繰り返すことを意味しています。
また衣替えなどで入っていたものを出して、他のものを入れたり、また映画館などで中にいた人に一旦外に出てもらい、また入り直してもらう場合などもこれにあたります。
この「交替」はかわった人がまたその仕事や役目を与えられる可能性がある、また確実なときに使います。たとえばAからBにかわって、またAに戻ることもあれば、Bに戻ることもある場合です。
このように何度も行われるという意味が「交替」にはあります。かわり合うことが繰り返し行われる物事に対して使われます。
『交代』と『交替』の使い分けの例
- 選手交代・・・もう一度出場することはない
- 交替勤務・・・また同じ仕事に戻ることがある
「交代」と「交替」は同音異義語ではありません。
そのため入れかえることと入れかわることといった同じ意味をさします。そのため大まかに一回限りでかわる「交代」とそうでない場合の「交替」で使い分けることが一般的です。
たとえば「交代」はスポーツなどの「選手交代」や会社や組織の「世代交代」といった時に使います。一方で「交替」は「当番を交替してもらう」「交替で勤務する」といった入れかわってもまたその仕事が回ってくるといったものに対して使います。
しかし繰り返し行われていた江戸時代の「参勤交代」などのように、「交替」ではなく「交代」を使用するといったこともあり、この区別ははっきりとしたものはないともいえます。
さらに新聞用語ではこうたいは「交代」に統一されているため、「交替」であっても「交代」と明記されるのが普通となっています。
まとめ
「交代」と「交替」にはかわるという共通する意味があるため、その明確な使い分けについてはよく知らないまま使っていることの多い漢字です。
しかし細かく見ていくと、1回限りの「交代」と何度も繰り返す「交替」にはそれぞれ使い分けが必要なことや、使い方にも違いがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
また「交代」に近い意味をもった漢字に「更迭」があります。これはある人の地位や役職などを他の人に入れかえるときに使います。ただし「更迭」の場合はその対象となる人が不祥事などを起こした場合などに限られます。
またある程度の地位や肩書きがある場合、もしくは国家レベルの人事などが行われる場合に使われるものなので、普段使うことはほとんどないと言っていいでしょう。
こうたいを使い分ける際には、仕事やスポーツにおける役割を把握した上で判断するようにしたいものです。