募集要項に記載してある情報の中にパートとアルバイトが似たような使い方で使われています。
それぞれどんな違いがあって、どんな使い分けをすればいいのか迷わないために、意味の違いや使い方の例を解説します。参考にしてみて下さい。
『パート』
- 意味:労働者としての契約期間に一定の制限がかかり、正社員の就業規則よりも短時間で働く形態
- 使い方:パートのバイト、パートのシフト
主に主婦などを対象にした求人に使われる事が多く、短期の住み込み求人などにはあまり使われない言葉です。
実際にパートという言葉で多く募集される求人例は、「スーパーの品だしの仕事」「夕方限定のレジ打ち仕事」「夕刊の配達仕事」などがあります。特にスーパーや地域密着型店舗の求人の多くは、パートという言葉が使われており、近隣主婦層に向けたメッセージと考えられます。
主に日中から夕方にかけて働く仕事に多く、深夜の仕事には使われない傾向があります。主婦層に向けた求人がメインなので、深夜は家庭と両立する主婦層向けではない事が影響しています。
基本的に、法律にパートという言葉の意味に指定はなく、それぞれの店舗による判断でこの言葉が使われているのです。
『アルバイト』
- 意味:労働者としての契約期間に一定の制限がかかり、正社員の就業規則よりも短時間で働く形態
- 使い方:バイトの募集、バイトの求人
この言葉は、学生やフリーターを対象にした求人で多く使われます。さらに深夜のシフトがある求人や、季節労働者向けの求人にもアルバイトという言葉が頻繁に使用されています。
実際にアルバイトという言葉で多く募集される求人例は「イベントの運営スタッフの仕事」「プロのデザイナーやライターのサポートの仕事」「夜間の警備員の仕事」などです。
一般的に若者へ向けた求人に多く使われており、正社員に比べ、気軽で簡単に働けるという働き方のイメージを持たせたのもこの言葉が影響しています。このアルバイトと一緒に組み合わせて使われる場合の言葉もあります。「住み込みバイト」「派遣バイト」などはその代表例です。
『パート』と『アルバイト』の使い分け例
- パート:主婦向けに多く使われる
- バイト:若者向けに使われる
「パート」と「アルバイト」の意味を紹介してわかってもらった通り、それぞれの呼び名はあくまでも呼称の違いです。
法律的に定められた内容の規則は特になく、雇用する側が、独自に決めた呼び名としての意味合いしかありません。したがって、両者とも労働環境や給与、雇用形態にほとんど違いはないのです。
しかしながら、使われるシチュエーションに特徴はあります。それぞれの紹介でもふれましたが、パートとして募集される求人の多くは、家庭を持った主婦層に向けた仕事の募集です。主婦層が働きやすい正午前から夕方までの求人や、数時間の短時間の仕事にも多く使われています。
これはパートという言葉のイメージが持つ、無理なく少しだけ働けるというイメージを狙ったものだと考えられます。実際、パートとして募集している求人対象に、女性が多いのはこれが理由です。
一方のアルバイトは、若者向けの求人だけではなく、特に年齢に関わらないすべてのスタッフとして使われるので、アルバイトの記載をした募集の方が必然的に多くなります。
まとめ
このように、「パート」と「アルバイト」はそれぞれの言葉には明確な労働条件の違いはありません。それを使う側の意志によって決められると考えて下さい。
雇用される側が求人内容を見た時に、それがアルバイトでもパートでも何かが変わるわけではありません。同じ雇用形態なのであまり気にする必要すらないのです。重要なのは正社員としての雇用なのか契約期間ありの雇用なのかの部分です。
会社によっては、正社員以外の従業員をすべてアルバイトスタッフと捉える場合もあれば、パートスタッフとして捉える会社もあります。就業時間やシフト体制、時給の差に関しては、あくまでもその求人ごとに異なります。
求人情報を見る場合は、呼び名にはこだわらずに、時給の高さや福利厚生の充実さなどので判断して下さい。世の中で使われる言葉の中には、パートとアルバイトのように定義づけるだけの理由がなく、呼び名が違うだけの言葉があります。