NISAやiDeCoと言えば投資信託の印象が強いですが、ETFとの違いをご存知でしょうか?どちらも分散投資ができる金融商品であり、投資に興味を持っている人もいるようですね。
そこで今回は、ETFと投資信託の違いや使い分け例・メリットやデメリットについて調査しましたので、皆さんにご紹介していきます。
このページの目次
ETFと投資信託の違いって何?
分散投資できるETFと投資信託の異なる点について、1つずつ見ていきましょう。
銘柄数と種類が違う
ETFは約280銘柄と少なめですが、投資信託は約5,900銘柄(2022年12月時点)と選択肢が非常に多くなっています。選べる幅が広い投資信託は魅力的ですが、選択肢が多くて迷いやすく、銘柄選びに時間がかかる点がデメリット。一方で、ETFは銘柄数が少ないため投資対象を絞りやすく、選びやすいメリットがあります。
また、運用方法にも違いがあり、ETFは主に指数に連動するインデックス型ですが、投資信託は「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の2種類です。
購入価格決定のタイミングが違う
異なる特徴を持つETFと投資信託は、購入価格の決まり方が違います。ETFは、株式と同様に取引所でリアルタイムに売買されるので、成行注文や指値注文が使え、価格を見ながら自分のタイミングで取引できるのが特徴です。
一方で投資信託は「ブラインド方式」と呼ばれ、注文時に基準価額が分からず、取引終了後に確定するため、事前に正確な金額を知ることはできません。このように、投資信託は価格が後で決まりますが、ETFはタイミングを見てコントロール可能です。
購入や保有・解約時の手数料が違う
ETFと投資信託は、購入・保有・解約時に必要な手数料が違います。全体的にはETFの方が割安な傾向であり、主に売買時の委託手数料と信託報酬のみで、手数料体系がシンプル。一方、投資信託は申込手数料や信託報酬、解約時に信託財産留保額がかかる場合があります。
実際のコストは銘柄ごとに異なりますが、平均的にはETFの方が費用を抑えやすいため、なるべく安く投資したい場合は有利です。ETFと投資信託の違いを紹介しましたが、NISA つみたてNISA 違いに興味のある場合は、こちらから確認できます。
ETFと投資信託の使い分け例は?
さまざまな違いのあるETFと投資信託。人によって向き不向きがあるので、使い分け例について探ってみましょう。
投資信託向きの人
投資信託は、非課税制度を活用して着実に資産を増やしたい人向きの商品です。つみたてNISAや新NISAの投資枠や、iDeCoの対象商品の殆どが投資信託で構成されています。この制度を利用することで、本来約20%かかる運用益の税金を非課税にすることが可能です。
また、投資信託は少額から始められるため、初心者や毎月の金額が限られている人でも無理なく続けられます。投資の基本「長期・積立・分散」を自然と実践できるため、堅実に資産を育てていきたい人には安心感のある選択肢です。
ETF向きの人
ETFは投資信託で資産の基盤を築いた後、柔軟で戦略的に資産を運用をしたい人に最適。運用コストが低く、市場の値動きに応じて自分で売買のタイミングを決められるため、積極的な投資判断が行えます。特にNISAの成長投資枠を活用すれば、多くのETFに非課税で投資でき、つみたてNISAやiDeCoでは扱えない幅広い投資先にもアプローチ可能です。
投資信託で長期・分散の基本を押さえたうえで、ETFを取り入れることにより、多様で高度な資産運用が実現できます。
ETFと投資信託のメリットとデメリットは?
メリットとデメリットがあるETFと投資信託について、紹介しましょう。
ETFのメリットとデメリット
リアルタイム取引が魅力である、ETFのメリット・デメリットを紹介します。
メリット
ETFのメリットは、値動きが分かりやすく、リアルタイムで売買できることです。特にインデックスETFは日経平均株価などの指標と連動しているため、価格の変動が理解しやすく、初心者でも取り組みやすいでしょう。
さらに、株式と同じように市場の取引時間中であればいつでも売買できるETF。1日のうちに何度も取引したり、タイミングを見て利益を確定させたりできます。また、信用取引も利用できるため、より積極的な運用にも対応可能です。
デメリット
分配金の再投資ができない点が、ETFのデメリット。投資信託では、分配金を自動的に再投資することで複利効果を得られる仕組みがありますが、ETFは現金で支払われるので基本的には自分で行わなければなりません。
そのため、手間がかかるうえに再投資のタイミングによっては、運用効率が下がるかもしれないので、長期で資産を増やしたい人にとってはデメリットになる可能性があります。複利を活かした効率的な資産形成を重視する場合は、再投資の手間も考慮しておきましょう。
投資信託のメリットとデメリット
初心者に優しい投資信託の、メリットやデメリットを紹介します。
メリット
投資信託のメリットは、少額から始められ、幅広い金融機関で購入できる点です。中には100円から投資できる商品もあり、投資は怖いと感じている人でも気軽に始められます。また、証券会社や銀行、郵便局などの金融機関で取り扱われており、ネット証券なら自宅から簡単に購入可能です。
さらに、自分に合った商品を選びたい場合は、専門スタッフのアドバイスを受けられる窓口を利用することで安心できます。投資へのハードルが低く、選び方のサポートも受けられる点が、投資信託の大きな魅力です。
デメリット
価格を指定して取引できない点が、投資信託のデメリット。注文後に基準価額が決まるため、ETFや株式のようにリアルタイムで売買することができません。
つまり、購入時点で正確な価格が分からないため、想定より高く買ってしまう可能性があります。タイミングを重視する人にとっては不便に感じますが、購入金額や口数の指定ができる場合もあるため、事前に金融機関で確認しておくことが大切です。
まとめ
今回の記事では、分散投資ができるETFと投資信託の違いを中心に、使い分け例やメリット・デメリットについて紹介しました。
ETFと投資信託はさまざまな違いがあることに驚きましたが、銘柄数や購入価格決定のタイミングなども異なるようですね。両者のメリット・デメリットを理解したうえで自分に合う投資を行いましょう!