『カナヘビ』『トカゲ』『ヤモリ』『イモリ』の違いって?

意味の違い

突然庭の隅にいるのを見つけてびっくりするのが『トカゲ』。でも待ってください。それ本当に『トカゲ』でしたか?『ヤモリ』とか『イモリ』じゃありませんでしたか?似たような『カナヘビ』だった可能性も?

これらの生き物の違い、ちょっと確認してみましょう。

『カナヘビ』

  • 意味:トカゲ亜目トカゲ下目カナヘビ科に属する爬虫類の一種
  • 使い方:弟がカナヘビを飼い始めて、爬虫類嫌いの私はちょっと参っている。

『カナヘビ』は実はトカゲの仲間です。関東では『トカゲ』と呼ばれている場合も多くあります。

昼間に活動する生き物で、餌は小さな虫など。非常におとなしい性格をしていますが、危険を感じると尻尾を切るのはさすがトカゲの仲間と言ったところでしょうか。全体の2/3を占めるほどの長い尻尾を持っています。春になると冬眠から覚め繁殖行動に入るので、その時期に目撃することが多い生き物です。

名前にある「カナ」が可愛らしいという意味を持っていて、人に慣れやすくペットとして飼っている人もたくさんいます。実は7年近く生きることが分かっているのですが、ペットとして飼っている場合なかなか長生きさせるのが難しい生き物でもあるのです。

『トカゲ』

  • 意味:トカゲ亜目スキンク下目に属する爬虫類
  • 使い方:庭にいたトカゲを捕まえようとしたが、あまりに速くて捕まえられなかった。

スキンク科とは、すべすべした感じの鱗で体が覆われている生き物です。『カナヘビ』と見た目が非常に似ていますが、カナヘビはカサカサした感じの鱗で覆われています。また、カナヘビよりも尻尾が短く、カナヘビよりもよく尻尾を切ります。

名前の由来は、戸の陰によくいるので「戸陰(とかげ)」から来たという説があります。また非常に素早く動くので「疾隠(とかくれ)」「敏駆(とかけ)」からきているという説もあります。

地面に潜ることがないカナヘビと違い夜や雨のときは地面に潜って生活します。またメスは卵を産むと孵化するまで管理するという、日本の爬虫類としては珍しい特徴を持っています。

『ヤモリ』

  • 意味:トカゲ亜目ヤモリ科に属する爬虫類で、トカゲの一種
  • 使い方:ヤモリをいじめていたら、おばあちゃんに「家を守ってくれているのに」と叱られてしまった。

よく『イモリ』と混同されますが、外見はそこまで似ていません。両生類であるイモリが赤い腹、黒い体という非常に特徴的な外見をしているので、見分けは簡単に付けることができます。

名前の由来は家を守る「家守」から来ています。人家内外にいるハエや蛾といった不快害虫を食べてくれるので、こう呼ばれるようになったと言われています。縁起物として大切にする地域もありますが、見た目が怖いという人も多いです。

『ヤモリ』は指ごとに趾下薄板が発達しており、壁や天井などでも張り付いて移動することができます。ペットとして飼っている人もいますが、基本的に生きた虫しか食べないので、エサの確保が大切になります。

『イモリ』

  • 意味:両生類。腹の部分が赤く、それ以外は全身が黒い
  • 使い方:川の中でイモリを見つけた。

『カナヘビ』『トカゲ』『ヤモリ』と姿かたちは似ていても、『イモリ』は4つの中では唯一の両生類です。

漢字で書くと『井守』となり、井戸を守っている、すなわち水の中でも生活できると考えると覚えやすいでしょう。水田や池、川など、流れのない淡水の中で生活していて、水気の多い枯草の下にいることも多いです。

両生類ですが、サンショウウオなどの他の両生類と比べると皮膚はざらざらしています。また毒を持っていて、お腹の赤色は他の動物へ毒を持っていることを表す警戒色になっています。脊椎動物としては非常に高い再生能力を持っており、尻尾を切っても骨まで完全に再生します。自ら尻尾を切るトカゲでも尾骨までは再生できないので、イモリが持つその飛び抜けた再生能力の高さがうかがえます。

まとめ

  • 『カナヘビ』…爬虫類。トカゲとよく似ており、表面はガサガサ。トカゲよりも尻尾が長い。
  • 『トカゲ』……爬虫類。非常にすばしっこく、表面はすべすべしている。
  • 『ヤモリ』……爬虫類。天上や壁でも張り付いて移動することができる。
  • 『イモリ』……4つの中では唯一の両生類。赤い腹と黒い体を持つ。

それぞれに違いを持つこれらの動物、次に会ったら、あなたは見分けられますか?