10月31日はハロウィン。子供たちが魔女やお化けになってご近所を回ってお菓子をねだる日です。さて、魔女やお化けになるこの行為、「仮装」?それとも「変装」?果たしてその違いは何なのか、今年のハロウィンパーティで恥をかかないようにおさらいしておきましょう。
『仮装』
『仮装』を辞書でひくと「物語中の人物や動物などいろいろなものになって人に見せること」とあります。
ここで重要なポイントは、なるべきものがあるということです。物語中の人物にしろ動物にしろ、そのものになりきったり、そのものの服装を着たりするわけですね。あるいは白雪姫だったり、あるいは宇宙人だったり、またあるいはピラミッドだったりコアラだったり。これらのように、要するに元ネタが存在するということが重要です。
もう一つの重要なポイントは、人に見せることです。誰かにその姿を見てもらうことが必要になってきます。それは誰かに楽しんでもらうためだったり、誰かと一緒に楽しむためでもあるでしょう。古くは呪術的、宗教的儀礼に発し現在まで受け継がれた伝統ともいうべき仮装は、仮の姿になることで非日常性を強調し、日常を逸脱する行為は政治的にも宗教的にも大切だったのかもしれませんね。
これらのことから、近頃よく話題にのぼるハロウィンではこちらの『仮装』を使うことが分かりますね。古典的な魔女から身の毛もよだつゾンビまで、アイデアはいくらでも沸いてきそうですね。
『変装』
かたや『変装』を辞書でひいてみると「すがたかたちを変えて、まるでその人とは思えないようになること」とあります。
ここでのポイントは主体が変装をする人自身であることでしょう。自分とは思えないようになることが大切なのであって、それはなるべきものが明確にあるということとは確実に違います。そのために姿や形を変えるので、仮装のように目立つ姿にはなりません。あくまでも自然である必要があります。どのような手段にしろ、普通にそのへんにいる人から浮いて見えれば変装は失敗なわけですから、派手ではないありきたりな人物になるでしょう。
日常から逸脱することなく社会に溶け込むことを前提とした自己から他者への移行は、特定の目的や意図が強調される場合によるもので、主に隠密行動などがこれにあたります。例えば物語で読むような探偵やスパイなどがこれに当てはまりますね。
やり方としては大げさなものではなく、かつらを被ってみたり眼鏡をかけたり、付けボクロなどをしてみたりがポピュラーなようです。これはこれで自分がどれだけ別人になれるのか、少し試してみたくもなりますね。
『仮装』と『変装』の使い分け例
仮装して行くのは、ハロウィンパーティー・仮装パーティー・仮面舞踏会・仮装行列など。変装して行うのは、隠密・尾行・スパイ活動など。
こうして並べてみると、仮装の華やかで楽しそうな雰囲気に比べて変装のとてつもないアングラ感がたまりませんね。ひとくちに言うと、自己が露見しても構わず人を楽しませるのが仮装であり、自己を隠蔽して人を欺くのが変装です。確かに変装が楽しそうでは困りものですね。
【使用例】
「明日のハロウィンパーティ、気合入れて変装して行くね」→×
「明日のハロウィンパーティ、気合入れて仮装して行くね」→○
使い分けには自分の正体がバレてもいいかどうかを目安にするとよいですね。正体がバレていいのは仮装で、正体がバレてはいけないのが変装。おおよそ私たちが主に経験するのは圧倒的に仮装の方がメジャーではないでしょうか。
とはいえ、せっかく仮装と変装の違いを改めて考えたところで試しに変装をしてどこまで自分ではなくなることができるのかに挑戦してみてもよいかもしれません。違う才能が目覚める瞬間かもしれませんよ。
まとめ
さて、いかがでしたか。『仮装』と『変装』の違いについてくっきりはっきり認識していただけたでしょうか。ハロウィンではテーマパークや街のあちこちで仮装を楽しむことができます。機会があったらぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。