日本におけるVPNの認知度と利用割合について解説

日本におけるVPNの認知度と利用割合について解説 コラム

近年、テクノロジーの発展ととも私達の生活はより豊かになっていますが、同時にオンライン上でのサイバー犯罪も増加の一途を辿っています。一度、サイバー犯罪に巻き込まれてしまうと、詐欺事件などの金銭的なものから、オンライン上でプライベートな情報を晒されるといった精神的なものなど、様々な被害に遭う可能性があります。

近年、インターネットで送受信するデータを暗号化することで通信内容が外部へ漏洩するのを防ぐ有効的なセキュリティ対策として注目されているのがVPN(仮想プライベートネットワーク)です。現在、VPNは世界中で多くの人が使用しており、その必要性は年々高まっていますが日本ではどうでしょうか?今回、日本国内でのVPNの認知度や利用割合がNordVPNの調査によって明らかになりましたので紹介します。

VPNの利用状況に関する調査とその結果について

オンライン上での個人情報を保護するための有効な方法として活用されているVPNですが、実は日本では他国に比べて、認知度と使用頻度がかなり低いことがNordVPNの調査によってわかりました。

NordVPNは、各国のVPNの利用習慣などを把握するために毎年独自の調査を行なっており、今年は日本をはじめ、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど18ヶ国で実施されました。調査結果によると、ほぼ全ての国でVPNの認知度が60%前後、利用割合は25%前後でした。しかし、日本は認知度が23%、利用割合に至ってはわずか8%と、どちらも18ヶ国のなかで最も低い数字でした。直近3年間でのVPNの利用割合は多くの国で増加していますが、日本は減少傾向にあります。

日本でVPNを使用しているのは、主に35〜54歳の会社員の男性です。彼らは日本人の中でも収入が高く、金銭面で余裕があるので車やマンションの購入などにお金を費やすことができます。

また、気になるのが日本のVPNユーザーの中でも半数近く(46.3%)が無料版を使用しており、有料版を使用している人は3割ほど(31.1%)にとどまっているということです。日本でVPNを使用している理由として、約4割(38.8%)がオンライン上でのセキュリティ対策のためと答えていますが、これは無料版の危険性に関して十分認識していない可能性があります。一見、無料版は費用がかからないので魅力的ですが、ユーザーの様々な情報を第三者に転売している可能性があり、危険です

VPNの様々な用途とメリットについて

ここではVPNの様々な用途をはじめ、いくつかメリットを紹介します。

VPNの多彩な用途

公共のフリーWi-Fiを使用する

駅やカフェなど公共のフリーWi-Fiの多くはセキュリティ面が脆弱です。しかし、お使いのパソコンやスマートフォンからVPNに接続することで通信データが暗号化されるので外部に漏洩することなく、アカウント乗っ取りなどの被害を防ぐことができます。

リモートワークに適している

最近、浸透しているリモートワークの際にVPN接続することで大事なデータ等を送受信する際に外部への流出を防いだり、遠隔で社内のシステムへアクセスすることもできます

オンライン上での支払い

オンラインショッピングで支払いの際に入力したカード情報やオンラインバンキングの情報が漏洩しないか不安になりますが、VPNに接続することで全て暗号化されるので外部に知られることはありません。

VPNを利用するメリット

通信データを暗号化

VPNは接続すると、インターネット通信がVPNサービスプロバイダーが提供しているVPN専用サーバーを経由する際に暗号化されるので外部に漏洩する心配がなくなって安全性が保たれます。

匿名性を維持

一般的にVPNプロバイダーは、世界中に数百〜数千台のVPN専用サーバーを保持しています。VPNに接続することでユーザーのIPアドレスは、接続先のVPNサーバーがある場所のものに変更されるので、サイバー犯罪者や外部から本当の位置情報を知られることはありません。

ユーザーの個人情報が保存されない

VPNプロバイダーの多くは、VPN接続中のオンライン上でのユーザーの行動履歴などを保存しないことを約束するノーログポリシーと呼ばれる規約を採用しており、これによってログが記録されることがありません。

まとめ

今回、日本でのVPNの認知度と利用頻度やVPNを使用するメリットなどを紹介しました。私達に忍び寄るサイバー犯罪の被害に遭わないためにもVPNは非常に効果的なセキュリティ対策といえます。また、最近特に件数が増えているサイバー犯罪は、スマホやパソコン、またはSNSの乗っ取りです。お使いのスマホやパソコンがハッキングされたか調べる方法を参考にして、できるところからセキュリティ対策を始めましょう。