普段の生活の中で『森』『林』『森林』というワードを頻繁には使わないので、これらの違いを詳しく知りません。
そこで、今回はこの3つのワードに焦点を当ててみて、どのような違いがあるのかを調べてみようと思います。
『森』
- 意味:木々がこんもりと生い茂っているところ
- 使い方:市民の森(人の手で作られた公園のこと)
『森』は「木々がこんもりと生い茂っているところ」という意味です。
これは一般的な解釈で農林水産省の定義では「自然にできた樹木の密集地」となっています。
『森』は『盛り』と同じ意味であり、木が多くこんもりと盛り上がったところの意味や実際に小高い場所などにあることから、木々がこんもりと生い茂っているところと言い換えることができます。
『森』は同じ種類の木々が立ち並んだところではなく、多種多様な木があり、深く生い茂るようなところであります。
東京大学の大場秀章先生の説によると、人が生活のために食料や燃料をとるために育てた里山の奥に広がる山が『森』であると述べています。
また、「厳か,静か」という意味を持つので、『林』と比べて人の出入りが少ないという意味もあります。
『林』
- 意味:同じ種類の木々が多数立ち並んでいて、木と木の間隔が狭くないところ
- 使い方:人工林(人の手で植樹されたところ)
『林』は「同じ種類の木々が多数立ち並んでいて、木と木の間隔が狭くないところ」という意味です。
これは一般的な解釈で農林水産省の定義では「人工的に作られた樹木の密集地」となっています。
『林』の語源は「生やす」の名詞化「生やし」であり、木を生やしてあるところの意味から、深く生い茂ることは表していませんが、樹木が群がっていることを表していて、同じ種類の木々が多数立ち並んでいて、木と木の間隔が狭くないところと言い換えることができます。
東京大学の大場秀章先生の説によると、人が生活のために食料や燃料をとるために育てた里山のことであると述べています。
『森』には、「厳か,静か」という意味があり、『林』にはこのような意味はなく人が普通に出入りできるところという意味もあります。
『森林』
意味:『森』よりもさらに広範囲にわたって木々が密生しているところ
使い方:森林破壊(自然の回復力を超える木々の伐採により自然界に影響を与える行為)
『森林』は「『森』よりもさらに広範囲にわたって木々が密生しているところ」という意味です。辞書では、「遠くから見ると濃い緑が盛り上がって見え、近づいてみると日のさすことがほとんど無いところ」となっています。
『森林』は木々だけではなく、草木などの植物、多種多様な動物、土壌微生物などの生物や土壌自体を含めた一体のところでもあります。
『森林』は、「広葉樹林」や「針葉樹林」などのように分類されることから、『林』や『森』を総称したものだということ分かります。
また最近では、『森林』の減少に伴い、地球温暖化を招く大きな原因となっていて、世界的にも大きな問題となっています。
まとめ
以上今回はこの『森』『林』『森林』の意味の違いと使い分けについて解説しました。
- 『森』…木々がこんもりと生い茂っているところ
- 『林』…同じ種類の木々が多数立ち並んでいて、木と木の間隔が狭くないところ
- 『森林』…『森』よりもさらに広範囲にわたって木々が密生しているところ
『森』は、同じ種類の木々が立ち並んだところではなく、多種多様な木があり、深く生い茂るようなところであり、人があまり立ち入るようなところではありません。
『林』は、『森』とは違い、同じ種類の木々が立ち並んでいて、『森』ほどは深く生い茂っているところではないので、人が立ち入りやすいところとなっています。
『森林』は、『森』と『林』を含んだところであり、『森』よりもはるかに生い茂ったところとなっています。
これを機会に、上記3つの意味の違いを理解し正しい日本語を使っていきましょう。