使い分けれる?『知識』と『知恵』の意味の違いと使い分け例

意味の違い

『知識』と『知恵』の違いを知っていますか?漢字も「知」が共通しているうえに、どちらも二文字なので、混同してしまいますよね。似ているように見えますが、実は、全く異なる意味を持つので、使い分けに注意が必要です。

どのように違うのか、『知識』と『知恵』の意味や使い方を、具体例を交えて以下にまとめてみました!

『知識』

『知識』は、「事実として知っていることや、その内容」を指します。または、「知ること、認識・理解すること」の意味で使うこともあります。つまり、『知識』=「何かについて知っていること」として使われます。

例えば、自転車に乗っている際、ヘルメットのひもが緩んでしまい、結果として転倒してしまったとします。それにより、「自転車のヘルメットのひもは緩むと危ない」ということを知ることができます。また、学校の授業で数学問題の解き方について特定の公式を学んだり、テストのために歴史の年号を暗記したりしますね。

それから、何か調べたいことがあれば、書籍やインターネットで自分の知りたい情報を得ることもあります。また、知らない土地で道に迷った時、地元の人に道を聞いたりすることもありますね。そのようなさまざまな経験を通して知った事実やその内容のことを、知識と言います。

よく使われる熟語では、「ーーをひけらかす」があります。知っていることを並べ立てて自慢することを指します。また、「ーー人」「ーー階級」などのような単語の形でもよく使用されます。

『知恵』

『知恵』は、「物事の道理を判断し処理していく心の働き」を指します。また、「物事の筋道を立てて、計画し、処理していく能力」とも定義されます。つまり、『知識』=「何かについて知っている」ことなのに対し、『知恵』=「知っていることから考えて、対処する」ことです。経験したことから得る物事の道理が知識ですが、それを世の中の状況に具体的に応用していくことが知恵です。

先ほどの例で出た、「自転車に乗るとき、ヘルメットのひもが緩いと危ない」という知識は、そのまま何の対策もしなければ危険な状況は変わりません。しかし、学んだ結果から、ひもではなく伸縮性のよいゴムを使用した、頭によりフィットするヘルメットを購入すれば、安全に自転車に乗れます。

また、学校の授業の例をあげると、勉強した数学の公式を応用すれば、難解な問題が解け、学習した年号を思い出して歴史上の出来事を年表にまとめれば、覚えやすくすることができます。このように、身についた知識を応用して、利益になるように工夫することを指します。

「浅ーー」「猿ーー」「ーーを借りる」「生活のーー」などのように使われます。

『知識』と『知恵』の使い分け例

『知識』と『知恵』の意味の違いが分かりましたか。今度は、どのように使い分けるのか、具体例から実際に見ていきましょう。

「ビジネスに関して知識のある人」と、「ビジネスに関して知恵のある人」は、どのような意味の違いがあるのでしょうか。「ビジネスに関して知識のある人」は、ビジネスに関わった経験があったり、ビジネスのノウハウを勉強して知っている人などのことです。ビジネスマンなどがこれにあたります。

一方、「ビジネスに関して知恵のある人」は、ビジネスの知識や経験から、ビジネス上のトラブルをどのように解決したらよいか理解している人のことを指します。ビジネスコンサルタントなど、ビジネスに関するアドバイスをできる人のことですね。

次の例として、「掃除の知識が足りない。」と、「掃除の知恵が足りない。」の違いを考えましょう。

前者は、掃除そのものを知らない状態のことです。掃除に使う道具は何か、どのように使えばよいのかが分からないという状況です。後者は、掃除の知識はあるけれど、応用ができず、単純な掃除にいつまでも時間がかかるなど、非効率な状況を指します。

まとめ

『知識』と『知恵』。似ているようで異なるこの二つは、うっかり間違って使用すると、恥をかくことにもなりかねません。しっかり使い方を「知識」として身につけ、実際の文章や会話などで、「知恵」を持ってきちんと使い分けていきましょう!