『超える』と『越える』どちらも同じ「こえる」という読み方なのですが、意味が少し違いがある事は知っていますか?
今回は『超える』と『越える』の意味の違いと使い分けの例を解説していきます。使い方に迷った時の参考にしてみてください。
このページの目次
『超える』
- 意味:1.ある範囲を抜け出る。2.並みとはかけ離れている。3.程度が甚だしいことを表す。
- 使用例:世界の人口が100億人を超える。貯金の目標金額を大きく超える。自分の理解の範疇を超える。など
「超能力」や「超常現象」などで使われる『超える』を使うべきは主に二つのパターンがあります。
一つ目は「ある数値の範囲」を「圧倒的」過ぎている状態を表すときです。使用例「世界の人口が100億人を~」「貯金の目標金額を大きく~」がそれに当たります。
二つ目は「ある一般常識的な範囲」を過ぎた状態を表すときです。使用例「自分の理解の範疇を~」がそれに当たります。
両方ともに「現状」から考えた時に「平均的」や「一般的」と考えられる範囲から『大きく過ぎた状態』である事を表す時に使用されます。また、数値を使う場合の多くにも使用されます。
『越える』
- 意味:1.ある所や時の境界をこえる。2.物事の範囲・程度をこえる。3.平均・標準をこえる。
- 使用例:国境を越える。年を越える。彼の症状は峠を越えた。など
「越境」や「越冬」などで使われる『越える』使うべきにも主に二つのパターンがあります。
一つ目は「一定の境界線」を過ぎた状態を表す時です。使用例「国境を~」「年を~」がそれに当たります。
二つ目は「一定の行動と共に過ぎる事だが、常識の範囲内」の状況を指す時です。「彼の症状は峠を~」がそれに当たります。
『超える』との大きな違いは「程度」にあります。
「超」は一般常識の範囲外の状況です。通常であれば到達する事が出来ない場所、物、成果を指す場合に使います。「越」は時間の経過で過ぎつつある状況や、平均を過ぎつつも一般常識の範囲に収まる状況を指す場合に使います。
『超える』と『越える』の使い分けの例
『超える』と『越える』の意味の違いを確認したら、実際に使い方の違いを見ていきましょう。
『規定速度を超える』と『平均速度を越える』
平均速度を40キロとした時に
- 平均速度を超える・・・80キロなど圧倒的に過ぎている状態を指します。
- 平均速度を越える・・・40キロを過ぎて、41、42キロと過ぎて行く状態を指します。
『目標を超える』と『目標を越える』
目標を100%達成とした時に
- 目標を超える・・・200%達成など圧倒的にに目標を過ぎている状態を指します。
- 目標を越える・・・100%を達成し101%、102%と過ぎていく状態を指します。
『国境を超える』と『国境を越える』
- 国境を超える・・・国と国という概念を飛び越えて考えるといった意味を指します。
- 国境を越える・・・実際にある国と国の国境を物理的に通過する状態を指します。
まとめ
以上、『超える』と『越える』の意味の違いと使い分け方の例を解説しました。
ポイントは「範囲」と「程度」になります。
- 『超える』・・・圧倒的にすでに過ぎた状況。数値で表す場合。
- 『越える』・・・常識的に過ぎつつある状況。事や状況を表す場合。
是非、これを機会に正しい「こえる」を使っていきましょう。
最後に「超越」という言葉を紹介します。『超』と『越』を使った単語です。
意味は主に2つあります。
- 普通の程度を、はるかに越えること。
- そのことを気にしないこと。
普通の程度をはるかに超えるというのは今までの解説からも予想がつきます。考えさせられるのは「そのことを気にしないこと。
普通を越えて、超えるまで行くと、そのことに興味自体がなくなるという意味です。
歴史上偉大な成果を成し遂げた偉人たちは、常識や概念を気にしなくなる事でその成果を達成したのかもしれませんね。