カレイとヒラメは姿形は似ていますが、実は全く違う魚です。見た目も良く見ると似ていないことに気づきます。
カレイとヒラメは食べている餌や捕食の仕方など生態の違いにより食べたときの食感や味に違いがあり、値段の違いにも反映されています。
『ヒラメ』と『カレイ』味の違い
見た目は似ていますが、生態や食べている餌の種類、餌の捕食時の体の使い方が違うため、食べたときに違いが出ます。
ヒラメはサッパリしており、刺身として多く食べられています。高級魚とされているマコガレイの身にはコクがあり、煮付けや空揚げにするとおいしいと言われています。
カレイは湾内などの穏やかな環境で生息し、餌となるイソメやゴカイなどを待ち伏せして砂に潜っているため、目が飛び出しています。
また種類や産地などにより味が異なり、旬の味を満喫したいときはマコガレイがおすすめです。
春から夏にかけて捕れたマコガレイはフグに匹敵する旨さがあると言われ、刺身でも煮付けでもおいしくいただけます。
回転寿司などで手軽に食べられるようになったエンガワは、一般的に巨大カレイのものが使用されています。他の魚とは違い浮袋を持っていないため、背ビレと腹ビレを使用して泳がなければいけないので、ヒレの付け根部分にあるエンガワが発達しています。
また餌の捕食のため海底に潜るときもヒレを使用するので、歯ごたえあるエンガワが捕れます。
ヒラメは泳ぎまわりイワシなどの魚を食べることから筋肉が引き締まり、口にしたとき歯ごたえ良く感じるので刺身など生食する料理に最適です。
煮物など火を通した場合、カレイに比べ固くなってしまいますが、煮付けることによりゼラチンがたくさん出るので、冷やしてゼリーのように固まった煮汁を熱いご飯に乗せて食べるととてもおいしくいただけます。
またヒラメは身体の大きさにより味に違いがあり、体長40センチメートル程のものがおいしくいただけます。
『ヒラメ』と『カレイ』値段の違い
魚屋さんで値段を見てみるとヒラメに高値がつけられている場合が多いです。
日本には「左ヒラメの右カレイ」という言葉があり、似ているようで違います。
高級日本料亭の店で「尾頭付き」の魚を出す場合、食べる人から見て魚の頭が左側になるように置かれますが、カレイの仲間の多くは右を向いているために頭を左側に置くことができません。
大衆魚とも知られており、その値幅は大きく、冷凍で1パック約500円で販売されているものから、体長約25センチメートルくらいのもので一匹約1,000円程で売買されているものまで様々です。
一般的に唐揚げや煮物用に販売されているものは安く、マコガレイに代表される刺身でもおいしくいただけるものは高価格で店頭に並べられています。
しかし魚屋でも大型マコガレイの刺身は希少で、特に大分県日出町の別府湾にある城下海岸で捕獲された「城下ガレイ」は、一匹の値段が最高1万円で取引されることもあるくらいです。
今ではたくさんの魚が輸入されているので、スーパーなどで輸入物を安く手に入れることができます。
また高級魚として知られている天然のヒラメの捕獲量は農林水産省の調べ(平成24年度)で約6,057トンで、カレイの約46,824トンに比べ非常に少なく、通常年平均の捕獲量も40~50分の1とされるくらい捕獲量が少ないため貴重な魚として扱われています。
けれども天然ものでも高級魚とされるマコガレイの方が高価とされることがあります。
天然物は高級魚として扱われていますが、養殖魚の代表ともいわれている魚でもあるので、養殖ものならスーパーで安く手に入れることもできます。
まとめ
ヒラメはサッパリとしていて、身が引き締まっているため歯ごたえが良く刺身向きです。
カレイはコクがあり煮付けや空揚げに最適で、特に旬のマコガレイがおすすめです。またカレイはエンガワも歯ごたえが良く人気です。