建築や土木に関係する言葉には、『セメント』『コンクリート』『モルタル』『アスファルト』なんとなく聞覚えはあるけれど、改まって聞かれるとその違いを説明するのは戸惑います。いろんな角度からそれぞれの言葉の違いを見てみましょう。
『セメント』
- 意味:粘土を含んだ石灰石や石膏の粉末したものです。
- 使い方:ポルトランドセメントや混合セメント、特殊セメントなどがあります。
水を加えてかくはんすることで化学反応が起こり、水酸化カルシウムを発生させます。時間と共に凝固して行くと炭酸カルシウムに変化して強いアルカリ性から中性になり落ち着きます。また水の中では化学反応が促進されずに固まりませんでしたが、フラッシュアッシュなどを加えることで水和性が増して水辺などでも使用できる様になりました。
また練り込まなくてもボーキサイトと石灰石を使うことですぐに凝固して行くタイプもあります。被災地や即効性が求められるような場合に重宝な性質を示します。耐火性にも優れているので化学工場など使用が可能となる用途は幅広いです。
『コンクリート』
- 意味:セメントに砂と砂利、水を加えることで出来上がります。
- 使い方:鉄筋と組み合わせる鉄筋コンクリート、コンクリートブロックなどがあります。
コンクリートの特徴は、外的圧縮に強いことです。その反面、引っ張りに対して脆い欠点があります。建築材や土木的には鉄筋と組み合わせる事で引っ張りに対して補強されます。また凝固してしまうと耐久性に富んでいるので、数十年は十分に持つ耐久性を持っています。
建築資材としても、多くの工事で使用されていて、マンションやオフィスビル、橋やダム、またトンネルなど使用されるカテゴリは多岐に渡っています。
以前よりメンテナンス時に、劣化し難いと建材とされてきましたが、亀裂などで構造力が落ちることも十分に考えておかなければいけません。
『モルタル』
- 意味:セメントに砂と水を混ぜると出来上がります。
- 使い方:モルタル二階建てやモルタル仕上げなどがあります。
セメントに水を混ぜるとセメントペーストと呼ばれるものが出来ます。モルタルはそこに砂を混ぜることで出来上がります。セメントペーストに砂利も混ぜ込んだコンクリートとは違い、部材の強度よりも仕上げの美しさが重要視されます。
基本的にセメントペーストにどれくらい水を混ぜ込むかで滑らかさはキープ出来ます。多くの水を混ぜると流動性にとんだより仕上げに向いています。ただ水分が多いともろくなりやすいので、一気に水分を流し込まずに様子を見ながらよく練りこんで作ります。山肌が脆い場合には、付近の道路に土砂崩れなどが起きないように速乾性の高い部材が使われていました。
『アスファルト』
- 意味:原油を生成した時に出来るものです。その為、見た目が黒っぽくなります。
- 使い方:アスファルト舗装路などがあります。
補強材として使われていて、もっともよく見掛けるのは道路を覆っている黒っぽい舗装面を言います。同じような材質にコンクリートがありますが、工賃としてはアスファルトの方が圧倒的に安価で仕上げられると評判です。
しかし耐久年数で言えば、コンクリート以上に修繕が掛かり、特に夏場では熱で簡単にグニャグニャになり易く、重いトラックなどが走るといつの間にかボコボコになってしまいます。コンクリートよりもずっと軟らかい素材です。道路の工事などを見ると、数年に一度は全面的に補修工事も考えておく必要があります。コスト面では優位性があるので、駐車場などにも適しています。
まとめ
簡単にまとめると、セメントはコンクリートやモルタルを作る原材料の1つで接着剤としての役割りを果たしています。コンクリートとモルタルでは、その製造で砂と水を使うのは同じですが、砂利の有無で呼び名が異なります。
またアスファルトはそもそもコンクリートやモルタルと異なっていて、砂や水ではなく、主成分は原油から生成されます。