意外と知らない!『チャーハン』『ピラフ』『焼き飯』の違い

意味の違い

お米を使って作る料理には見た目では似ているものがあります。『チャーハン』『ピラフ』『焼き飯』は同じように見えても調理の仕方などに違いがあるので、目の前に出てきた料理がどれかを区別できるようになりましょう。

『チャーハン』

  • 意味 :炊いた米と卵などを油で炒めて作る中華料理の一種。
  • 使い方:あの中華料理屋のチャーハンは有名です。

『チャーハン』は「炊いた米と卵などの他の具材を油で炒めて作る中華料理」です。中華鍋やフライパンを使って、炊いた米と卵やハム、魚介類、細かく刻んだ野菜などを油で炒めるのが基本的な調理方法となっています。

まずは具材を刻んで十分に炒めてわけに避けておき、卵を加熱したところに炊いた米を入れて炒め、それと先ほど炒めた具材と調味料を合わせるという手順で調理するのが基本です。中華料理の基本的な調理方法として最終的には強火で炒めるのが一般的ですが、卵と炊いた米を混ぜる過程では卵を米と馴染ませることに意味があるため、必ずしも強火で炒めるわけではありません。

もともとは中国が発祥の地になっているものの、広くアジアに広がって各国のオリジナルの『チャーハン』もあるのが事実です。タイやインドネシアなどの東南アジア諸国に特に独特の炒めご飯があり、ルーツは中国料理にあると考えられています。

『ピラフ』

  • 意味 :バターで炒めた米と野菜や肉類を炊いて作るトルコ料理の一種。
  • 使い方:中近東に行くと様々な種類のピラフが食べられます。

『ピラフ』は「米や他の具材をバターで炒めてから炊いて作るトルコ料理」です。『チャーハン』とは調理の手順が異なり、炊いた米を炒めるのではなく、米を炒めてから炊くという手順を採用します。

使用されるインディカ米は油と馴染みやすい性質があり、炒めた後で炊くことによって米と米がバラバラにすることができるのが特徴です。伝統的な方法としてまずはインディカ米をバターで炒めて透き通るくらいにまでバターをよく浸透させます。そして、魚介類やキノコ、野菜などをみじん切りにしたものを軽く炒めて合わせ、スープを入れて炊くという手順が一般的です。

同じ『ピラフ』と呼ばれるものであっても中近東では地域によって調理方法にも使用する具材にも違いがあります。インドやパキスタンなどで広がっているビリヤニもその一種という考え方もあり、少なくともルーツは同じだと考えられているのです。

『焼き飯』

  • 意味 :炊いた米を卵などと焼いて作る料理。特に鉄板で焼く関西料理。
  • 使い方:大阪に行って関西料理の焼き飯について知りました。

『焼き飯』は「炊いた米を他の具材と一緒に焼いて作る料理」で、特に大阪を中心とした関西で広がっている料理を指すことがあります。広義では焼くことにこだわらずに炒めたものも合わせて考えるため、『チャーハン』も含まれるものです。

しかし、厳密に分けて考えるときには「鉄板で炊いた米を焼く」という調理方法に特徴があります。この際に米に焼き色と味をしっかりつけることが主眼にあるため、まずは炊いた米を鉄板で焼き始めてから他の具材を加えていくという調理方法が一般的です。しばしば『チャーハン』との区別として米と卵のどちらを先に入れるかという区別をする場合がありますが、そもそも調理の目的が違うからこそ順番が変わってしまうと言えるでしょう。

ただし、両者を厳密に区別しない場合には『焼き飯』は炒めご飯になっていることもあります。具材が中華風かどうかということで分けている場合もあると留意しておきましょう。

まとめ

『チャーハン』は中華料理の一種で炊いた米を油で炒める料理、『ピラフ』はトルコ料理の一種でバターで炒めた米を炊く料理です。『焼き飯』は『チャーハン』を含む炒めご飯という意味もありますが、特に関西料理の炊いた米を鉄板で焼く料理を指すときには明確に区別されます。