『務める』『勤める』『努める』の意味の違いと使い分け例

“つとめる”という言葉には『務める』『勤める』『努める』の三つの表現がよく用いられます。微妙な意味の差異がある言葉も多い中で、はっきりとした違いがあるのがこの三つの表現の特徴です。正しく使い分けられるようにしましょう。

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『務める』

  • 意味 :ある職務や役割を果たす。
  • 使い方:新しい製品のセールスで営業マンとしての役割を務める。

『務める』は「役割を果たす」のが基本的な意味です。会社で働いている場合には所属部署や担当などによって会社の中でやるべき仕事の内容に違いがあります。それぞれの役職などに応じて行わなければならない仕事をする行為を示すのがこの表現です。やるべきことが定められていて、その内容を確かに行うという意味と理解することもできるでしょう。

仕事の場合には職務を果たすという意味になりますが、親の場合には子供に対して務めを果たすという表現をすることもよくあります。親として子供に本来行わなければならないことを確かに行うという意味になるため、学校に通わせたり、将来的に自立できるように身の回りのことを教えたりする行為を示すのです。

もともと何らかの立場があって、それによって客観的に行わなければならないことを遂行するのが『務める』こととなり、やるべきことが達成されるという意味も含んでいることに注意しましょう。

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『勤める』

  • 意味 :ある組織に雇われて働く。
  • 使い方:新製品開発を行う企業に勤める。

『勤める』は「会社などに雇われて定められた仕事をする」のが意味となっていて、”つとめる”対象となるのが企業などの団体になるのが特徴的な表現です。雇用関係があって、その上層部からの指示にしたがって働くことを指し示します。

会社に限らず、官公庁や各種団体でも同様であり、労働の対価として賃金などの対価をもらっている契約関係にあるのが基本です。必ずしも仕事をした内容に関して言及されるわけではないのが特徴ですので、たとえ失敗を続けていても、ただ出勤をしているだけで仕事をしていなくても『勤める』事になり得ます。実質にかかわらず、雇用関係に基いて行うべき内容を遂行しようとしている状況を示しているのです。

一方、雇用関係が前提となることから、自分で自発的に行った仕事に対して使用することはできません。また、仏道においても用いられることには注意しましょう。仏様と法師との契約の下に行われている行為であるという考え方をするのです。

『努める』

  • 意味 :あるものに対して力を尽くす。
  • 使い方:新製品の売上目標の達成に努める。

『努める』は「努力をする」が原義になります。困難があってもそれを乗り越えて目的を達成できるように頑張ることを意味しているものですので、その目的や内容については何であっても構いません。会社のために努力する場合でも、自分のために力を尽くす場合でも使用できます。

売上目標の達成に対して用いる場合には、自分なりの努力をするという意味になりますが、『務める』を使用すると意味が変わります。この場合には売上目標の達成のために自分が行うべき役割を果たすということになり、営業マンとして営業活動を行ったり、広告担当としてポスターやビラの製作を行ったりするという意味になるのです。

ただし、『務める』のときには必ずしも努力をしているかどうかは問題ではなく、あくまで役割を卒なくこなしているという印象を与えることになる可能性があります。また、この場合には勤務をする対象を示すわけではないので『勤める』を使用することはできません。

まとめ

『務める』『勤める』『努める』はどれも仕事によく関連する”つとめる”という言葉です。役割を果たすとき、雇用関係に基いて仕事をするとき、努力をするときの三つの状況のどれに該当するかを考えて使い分けると良いでしょう。

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