『同級生』『同期生』『同窓生』の意味の違いと使い分け例

意味の違い

「同級生」、「同期生」、「同窓生」。これらの言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、これらの意味を明確に区別できる人はそう多くはありません。では、これらの細かい使い分けはどのような基準でなされているのでしょうか。

今回はこの言葉について調べてみました。

『同級生』

  • 意味:同じ学年かつ同じ学級・クラスの生徒。
  • 範囲:(例)A小学校1年A組のクラス全体。

このように本来、同じ学年で、さらに同じクラスの生徒を指します。従って、例えば、1年A組になった人にとっては、そのA組の中の人々が「同級生」ということになります。同「級」生の級には、階級や等級といった意味があります。そのため位としての同じ学年を指す、ということです。

しかし現在では、広い意味で用いられることもしばしばあり、例えばクラスが違っていても同級生と呼ぶことがあるようです。こちらは後述する「同期生」との意味の被りが出てきますが、同じ階級に集うものという意味としては決して間違ってはいません。ただし、同じ学校の同じ学年に所属する人のみに使う言葉で、違う学校の人には用いられない、というところに注意が必要です。

「同級会」「クラス会」という名前の集まりには、上述したように同じ学年で同じクラスのものであった同級生が集うことになります。別のクラスや別の学年、別の学校の人々が集まるということはありません。

『同期生』

  • 意味:同じ年に入学(入社)または卒業した者同士のこと。
  • 範囲:(例)A小学校に20XX年入学した人々のこと。

こちらの「同期生」は「同級生」とは違い、階級などを無視した分類であるため、単に入学や入社の年度が同じものの集団を指します。したがって、クラスなどの違いはほとんど関係ありません。また、クラスの違いだけでなく、広い意味では違う学校や会社の者同士であっても、入学(入社)、卒業の時期さえ同じであれば「同期生」と呼ぶこともあります。

しかし、一般的には狭い意味で、同じ学校や会社に同時期に入学(入社)した者同士のことを指します。「同期」ゆえに同じ年度、ということですね。社会人などが同じ年度に入社した人たちのことを「同期」と呼んでいるのを想像すれば、この言葉の意味がつかみやすいかもしれません。

そのため、「同期会」の集まりでは、同じ学校や会社への入学(入社)年度が同じ人々が集まります。したがって同期会では、同級会やクラス会にさらにほかのクラスの人々を交えた形ということになります。

『同窓生』

  • 意味:同じ学校の出身者
  • 範囲:(例)A小学校の卒業生全員。

同級生や同期生と異なり、こちらは学年の関係はありません。同じ学校に入学・卒業したり同じ先生に学んだりした人同士のことを「同窓生」と呼びます。そのため、同じ学校の先輩・後輩も卒業すれば同窓生となるわけです。

つまり同じ扉をくぐり、同じ学びを経験をして育った仲間たちのことですね。「同窓」という言葉があるように同じ窓を抜けた人々、と考えるとわかりやすいかもしれません。

つまり、自分と同じ学校を卒業した先輩や後輩であれば、何歳年上であろうと何歳下であろうと関係ありません。ですから、同窓会というものは、同じ学校を卒業した者同士が集まる会のなかで、学年の違う卒業生が顔を合わせる会ということになります。

したがって同窓会は同級会・クラス会や同期会にさらに先輩や後輩を含んだ形となるわけです。同級会(クラス会)、同期会、同窓会、これら三つの集まりの中では、唯一同窓会だけが年代を超えて先輩・後輩が顔を合わせる会になる、というわけです。

まとめ

「同級生」、「同期生」、「同窓生」それぞれよく耳にする言葉ではありますがそれぞれ明確な使い分けがありました。

  • 同級生:同じ学校に入学し、同じ学年かつ同じクラスで会った人たち
  • 同期生:同じ時期に入学(入社)した人たち
  • 同窓生:同じ学校や同じ先生に学んだ人たち

これを機会に正しく言葉を使い分けていきましょう。