砂糖として甘味づけに用いられる調味料は多数あります。その中でもよく用いられるものに『三温糖』『上白糖』『グラニュー糖』がありますが、これらはどのような違いがあるのでしょうか。砂糖としての特徴も一緒に理解しておきましょう。
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『三温糖』
- 意味 :サトウキビなどからグラニュー糖や上白糖を精製して得られた糖蜜を使用してできるカラメル部分を持つ砂糖。
- 使い方:三温糖は上白糖に比べて独特の風味がある。
『三温糖』は「糖の精製過程でできたカラメルを含んでいる砂糖」です。
砂糖の製法として『グラニュー糖』や『上白糖』に用いられるショ糖がまず原料のサトウキビやテンサイから結晶化によって分離されます。この際に結晶として得られたのがショ糖になりますが、それに結晶をろ別した際にできる液体部分が糖蜜です。この結晶化の工程では糖蜜を再度加熱して水分を除去し、冷却して結晶を析出させるということを行います。それを繰り返した結果として加熱によりカラメル部分ができていくのです。
そして、最終的に色づいてきた糖蜜から得られるのが三温糖となっています。カラメル部分があることによって独特の風味があるのが特徴です。また、ショ糖を分離した残りの部分を使用しているため、サトウキビやテンサイに含まれていたミネラルが濃集されているとされています。
『上白糖』
- 意味 :サトウキビなどから精製を行ったショ糖に転化糖を加えた砂糖。
- 使い方:お菓子作りには上白糖が適度に風味があって良い。
『上白糖』は「糖の精製過程で分離したショ糖に転化糖を加えて調製された砂糖」です。日本で一般的に「砂糖」として使用されているものになっています。
ショ糖に対して添加されている転化糖はぶどう糖果糖液糖とも呼ばれるものです。これを1.3%ほど加えることによって、しっとりとしつつさらさらとした感触も残る扱いやすい砂糖として調製されています。水分も1%程度含んでいることから、ケーキやクッキーなどをオーブンで焼く際に生地をふくらませる効果も示すとされているのが特徴です。
それに加えて純粋なショ糖よりも風味があることから、砂糖としてそのままでもおいしいとされています。『三温糖』ほどに独特の風味があるわけではなく、『グラニュー糖』よりも風味があるという点でお菓子作りだけでなく様々な料理をおいしくするのに適していると考えられて汎用されているのが『上白糖』です。
『グラニュー糖』
- 意味 :サトウキビなどから抽出された純度の高いショ糖。特に粒状のもの。
- 使い方:おいしい紅茶にはグラニュー糖がよく合う。
『グラニュー糖』は「糖の原料から抽出されたショ糖の結晶として純度が高いもの」です。純度が99.9%以上になっていて、ほぼ純粋なショ糖と言うことができます。
『上白糖』のように添加物を加えていないのが特徴です。結晶の大きさによって「ざらめ」やそれ以上に大きな結晶のものを調製することもできます。使用上の使い勝手の良さから細かな粒状にしてあるものが最もよく市販され、利用されているのが現状です。味や風味にくせがないことから何に使用しても甘みをつけるだけで、風味を変えてしまう心配があまりありません。そのため、甘味料としてコーヒーや紅茶などのように風味が大切な食べ物や飲み物に用いられる傾向があります。
また、『グラニュー糖』の結晶に空気を含ませることによってより溶けやすくしたフロストシュガーはヨーグルトなどの半液体状の食べ物の甘味づけによく用いられている砂糖です。
まとめ
『三温糖』『上白糖』『グラニュー糖』はいずれもサトウキビなどを原料として精製された砂糖です。純度が高いショ糖の結晶が『グラニュー糖』、それに転化糖を加えたものが『上白糖』、ショ糖の精製を終えてできたカラメル入りの糖蜜から精製された砂糖が『三温糖』です。