なんだか調子が良くない…そんな時、あなたはどこに行きますか?病院、医院、クリニック、診療所…たくさんありすぎて混乱しそうですね。「えっ!?同じじゃないの?」と思った方もいるのではないでしょうか?その四つの違いについて徹底解説していきます!
『病院』
- 意味:外来の患者を大勢迎えて診察・治療を行う施設
- 使い方:定期健診で病院にいく。
病院であることの大きな条件は、病床数が20床以上であることです。これは、医療法により定められています。配置するには、都道府県の許可が必要です。また、三名以上の医師がいなくてはならず、患者三名に対し看護師三名が必要、さらに薬剤師一名いることが最低条件になっています。
また、「総合病院」も少し違うものです。この施設は、病床数が100床以上で、様々な診療科がある場所のことです。「様々な診療科」とは、最低で、内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科を指します。ここでは、手術ができることも大きな特徴です。つまり、「総合」という言葉が頭につくと、規模が大きくなる、という認識でいいでしょう。
『医院』
- 意味:医者の個人的経営による、病院より小規模の施設
- 使い方:鼻声なので、○○医院へいこう。
病院と比較した時、医院とは、病床数19床以下、または入院施設を有しない施設です。また、土日を休みにしているところが多いです。最先端の医療や設備があまり整っていないことが多いので、多くの人は軽い症状のときここに行きます。また、治療や検査に限界を感じた時は、紹介状を出して大きな病院への受診を勧めることも多くあります。
実は、この言葉は日本の法律において規制されていないので、自由に称することができます。そのため、市町村、医療法人、社会法人などの法人が開設したところも多くあります。医院という言葉は、「医を司るところ」という意味で、病院よりも古く使われていたといわれています。
もう一つ、街に多く存在するところも特徴です。「耳鼻科」「内科」など、一つの科しかないことがおおいため、特定の症状に特化しており、街の人は症状によって行く場所を考えることが必要です。
『クリニック』
- 意味:診療所・臨床講義
- 使い方:お勧めのデンタルクリニックはどこですか?
クリニックは、実は定義としては医院と変わりません。では、なぜこの言葉が使われるようになったのでしょうか。
この言葉は、大元はクリーネイン(clinein)という言葉に由来します。クリーネインとは、ギリシア語で「傾ける」という意味であり、ここから、ベッドを意味するクリーネ(cline)という言葉が生まれます。最終的に、「ベッドで診察する場所」という意味で、クリーネからこの言葉が派生したといわれています。
そのため、本来であればベッドが無くてはいけません。しかしこの言葉は広く用いられるようになり、ベッドがない医院でも呼ぶことができます。また、医院以外の場所でも、比喩的に使われることがあります。話し方教室を「スピーチクリニック」と呼ぶことがありますね。このように、一番広く使われている言葉でもあります。
『診療所』
- 意味:患者を診療する、病院より規模の小さい施設
- 使い方:あそこの診療所は、長年愛されている。
診療所も、医院やクリニックと定義が同じなのです。なので、開設時に届出を出すときは三つのうちどの言葉を使っても違法にはなりません。
診療所、ということばをあまり聞かなくなった、と感じている方も多いのではないでしょうか。一般的に見ると、医院やクリニック、という言葉の方がメジャーになってきています。定義は同じなので、開業医の好みでこの三つを使い分けているのです。しかし、病院と区別するために、紛らわしい名称をつけることは禁止されています。
補足ですが、一般的に、自ら開設、開業する人を開業医と呼び、勤務する医師、歯科医師を勤務医と呼んでいます。設備が大きく異なり、勘違いが生じることがあるためです。なので、患者側も定義をきちんと理解し、自分に合った場所に行くことが大事です。
まとめ
- 病院…大規模な診察・治療ができる施設。
- 医院…小規模だが一つの科に特化している施設。
- クリニック…医院に同じ。ベッドがある、という意味合いが含まれることもある。
- 診療所…医院に同じ。
病院は特殊で、他の三つとは大きく異りますが、医院、クリニック、診療所は定義的には変わらず、開業医がイメージに合わせて命名しているのです。なので、自分の症状をよく考えて、症状にあった病院を選べるようにしましょう!