知ってた?『ファスナー』『ジッパー』『チャック』の違い

意味の違い

洋服によくついている『ファスナー』『ジッパー』『チャック』は普段から使い分けができているでしょうか。なんとなくどれかを使ってしまうということもあるでしょう。何が違いになっているのかを知っておくと安心して使えるようになります。

『ファスナー』

  • 意味 :衣類に用いられる自在に開け閉めができる留め具。
  • 使い方:ファスナー付きのパンツを買う。

『ファスナー』は「衣類に用いられる留め具のうちで開け閉めができるもの」を表しています。日本でよく用いられているのは線式のもので、金具をスライドさせることによって自由に開け閉めができるのが特徴です。

しかし、留め具としての機能ができれば良いため、種類として線式の他にも点式と面式のものがあります。点式のものは主にボタンが使用されていて、一点で留めるものもあれば多点で留めるものもあり、デザインの一部としても活用されているのが特徴でしょう。

面式のものの場合にはマジックテープという商標で知られているものが最もよく用いられています。小さなフックとループを面状に並べて接着する方式で、引き剥がしたり押し付けたりするだけで自在に開閉ができることから利便性が高い留め具です。

このような三種類の留め具を総称して『ファスナー』と呼ばれています。もともと「固定するもの」という意味があることから、その方法に応じて違う種類があるのです。

『ジッパー』

  • 意味 :衣類に用いられる自在に開け閉めができる留め具の商標の一つ。
  • 使い方:ジッパーを閉め忘れてしまった。

『ジッパー』は「線式のファスナーの商標の一つ」です。金具を使ってスライドさせるだけで開閉ができる便利さから、商標が取られたという経緯があります。アメリカで登録された商標として、語源は開閉をするときの音に相当する擬音の「zip」とされており、「zipper」と名付けられたのです。

わかやすい名称として得に英語圏では馴染み深かったことから急速に『ファスナー』の一種として浸透しました。日本にもその名前で伝わってきたことにより、線ファスナーのことを呼ぶ名称として定着しています。そのため、厳密に言うのであればそのアメリカのメーカーの製品のみを指すものであって他のメーカーの製品であれば一般的な名称である『ファスナー』を使用するのが正しいのです。

しかし、名称としてよく知られるようになったため、厳密な使い分けが行われなくなっています。あくまで商標の一つであって、線ファスナーの一つとして理解しておくと良いでしょう。

『チャック』

  • 意味 :衣類に用いられる自在に開け閉めができる留め具の商標の一つ。
  • 使い方:子供にチャックを閉めるように教える。

『チャック』もまた『ジッパー』と同様に線ファスナーの商標の一つです。もともとの『ファスナー』としての製品は流通していましたが、それを元にして日本で開発が進められて商標が取られたという経緯があります。その影響を受けて、『ジッパー』よりも国内ではより広く知られるようになりました。

1927年からの古い歴史があり、語源は「巾着」にあるとされています。国産品であることによる人気に加えて、当時製造されたファスナーが丈夫で長期使用できる高品質のものであったことから、『ファスナー』のことを示す代名詞としても活用されるようになったのです。

現在では登録商標ではなくなっているため、余計に『ファスナー』を意味する一般的な言葉として利用されるようになっています。このような歴史があることから特に日本の製品では『ファスナー』と呼ばずに、『チャック』が使用されている傾向があるのが現状です。

まとめ

『ファスナー』は衣類に用いられる開閉可能な留め具としての一般的な言葉です。これに対して『ジッパー』と『チャック』は線ファスナーの一種として商標が取られたものという違いがあります。その名前がよく知られていることから『ファスナー』の代名詞として使われているのです。