「叔母」と「伯母」の読み方は同じですが、意味が違うことを知っていますか。使い分けをしなければならない場面では、悩んでしまう方も多いでしょう。本記事では、「叔母」と「伯母」の意味にどんな違いがあるのか、使い分けについて解説しています。お祝いの席での使い方について気になる場合はこの記事の、結婚式の席次での使い方も是非参考にしてみてください。
このページの目次
叔母と伯母の意味 どんな違いがある？
「叔母」と「伯母」は漢字や意味に違いがあり、関係によって使い方が変わります。字源や由来についても紹介しているので、より理解を深めましょう。どんな違いがあるのかを、1つずつ紹介します。
『叔母』と『伯母』漢字と意味の違い
「おば」の漢字には「叔母」と「伯母」があり、読み方は同じでも意味が異なるので、以下の表を参考にしてください。
| 漢字 | 読み方 | 意味 | 例 | 解説 |
| 叔母 | おば | 両親の妹 | 父母の妹 父母の弟の妻 | 「叔」という漢字は「年少」や「若い」という意味です。両親より若い親族であり、「叔」の左の部首は「歩」に形が近いので、若さによる光の放射を表すという説もあります。 |
| 伯母 | おば | 両親の姉 | 父母の姉 父母の兄の妻 | 「伯」という漢字は「年長」という意味です。画家を敬う呼称である「画伯」や人の才能を見抜く力が優れている人のことを指す「名伯楽」にも使われます。 |
『叔母』と『伯母』字源の違い
叔母と伯母の「伯」と「叔」の字源については、以下のとおりです。
| 漢字 | 漢字の構成 | 解説 |
| 伯 | 「白（ハク・迫る）」+「人」 | 白は薄い：くっつくとイメージが変化し、相手に引っ付くほど迫るという印象 伯：下の者に威力で迫るボスや、長者を明示した図形 |
| 叔 | 「尗（シュク・小さい）」＋「又」 | 尗：蔓を出した豆を描いた図形で「小さい」という印象 ・イメージから細く小さい末の兄弟の意味に転じた |
『叔母』と『伯母』由来の違い
「叔母」と「伯母」の由来は、中国で定着している儒教の教えから発生した中国語が日本に伝わったものです。儒教の教えは年上を敬い、年下を慈しむという思想であり、兄弟姉妹の序列がつけられました。最年長が「伯」で二番目を「仲」、三番目が「叔」で最年少を「季」としたことから「叔母」や「伯母」が使われるようになったようです。あだ名のような「字（あざな）」にも「伯仲叔季」の文字で序列をつけ、名前に入れることがあります。
『叔母』と『伯母』の 使い分け
「叔母」と「伯母」の使い分けに、年齢や未婚・既婚であることは関係ありません。叔母と伯母の状態と使い分けは以下のとおりです。
| 状態 | 解説 |
| 叔母より若い伯母 ※年齢関係なし | ・血族だけではなく婚姻による姻族も含む傍系の三親等が対象 ・母の姉より義妹が年長でも母の姉が「伯母」義妹は「叔母」 |
| 伯母や叔母が若い ※年齢関係なし | ・「おばさん」と呼ぶのに違和感がある ・名前か「お姉さん」という言葉を用いる ・第三者に紹介するときには「伯母」「叔母」を使用 |
| 叔母や伯母が未婚 ※既婚・未婚関係なし | ・「おば」を未婚の女性に対して使うことに違和感がある ・本人と叔母の年齢が近いケースがある ・父母や父母の姉か妹であれば未婚でも「伯母」か「叔母」 |
『叔母』と『伯母』結婚式の席次での使い方
叔母と伯母の漢字や意味の違い、使い分けについて解説しましたが、結婚式の席次での使い方についても理解しておきましょう。結婚式の席次での使い方は、年齢に関係なく父母・義父母の姉にあたる「伯母」は、妹にあたる「叔母」より序列が上です。結婚式では新郎新婦の親族はまとめて末席になります。最も血縁の深い両親が一番末席、次に兄弟や祖父母です。続いて伯父・伯母や叔父・叔母、従兄弟などの順で宴席が和むように決めましょう。
まとめ
『叔母』と『伯母』の意味にどんな違いがあるのか、使い分けについて解説しました。「叔母」は両親の妹、「伯母」が両親の姉であり意味に違いがあります。父母の弟の妻は「叔母」で父母の兄の妻が「伯母」など、関係を理解した上で使い分けることが大切です。叔母より若い伯母や、叔母・伯母が未婚の場合もありますが、年齢や既婚・未婚であることは使い分けに関係ありません。お祝いの席での使い方も紹介しているので、結婚式の席次での使い方を参考に、役立ててみてください。
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