2014年のトレンドを締めくくる流行語大賞から
今年も50語がノミネートされました。
その中に【2025年問題】があるのですが、
一体2025年問題ってなんなの?
2025年問題?また誰かの予言?
などと疑問に思うかもしれません。
そこで今回は【2025年問題】について
できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。
2025年問題とは?
2025年問題とは、
2025年になると人類は滅亡する…といった予言めいたものではなく、
ある事実に基づいた2025年になると起こると予想される問題です。
そのある事実とは…
2025年に団塊の世代が75歳を迎え、
「超高齢社会」に突入する
ということです。
※団塊の世代…第一次ベビーブーム時代の「1947年から1949年までの3年間に出生した世代」で日本の高度成長を引っ張ってきた世代。
※超高齢社会…総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合が21%を超えた社会。日本においては、すでに2007年に超高齢社会に突入しているが、高齢者の数は年々増え続け、2025年には約4人に1人が75歳以上になると言われている。
言葉で言われてもいまいちピンとこないかもしれませんが、
人口ピラミッドを見れば一目瞭然です。
まずは2015年の人口ピラミッドを見ていきましょう。
[出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ (http://www.ipss.go.jp/)]
オレンジの部分と青色の部分が突出しているのがわかりますね。
オレンジの突出している部分にあたるのが、
いわゆる団塊の世代です。
青色の突出している部分は、
団塊ジュニア世代と言われています。
※団塊ジュニア世代…1971年(昭和46年)から1974年(昭和49年)までの第二次ベビーブームに生まれた世代。
団塊の世代がすべて65歳以上となるのが、2015年となります。
それでは、10年後の2025年の人口ピラミッドを見てみましょう。
[出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ (http://www.ipss.go.jp/)]
団塊の世代が75歳以上となり、赤色の部分が突出しました。
少し短くなっているのは、65歳〜75歳の間に亡くなられる方を
考慮してのことでしょう。
あまり変わったように見えない…と思う方は、
赤色の部分だけに注目してみてください。
明らかに、2015年より2025年の方が大きく見えますよね。
ちなみに、団塊の世代が生まれて間もない1950年ではこうでした。
[出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ (http://www.ipss.go.jp/)]
これをみると、現在との差は歴然ですね。
現代がいかに高齢者の割合が大きいかがよくわかります。
それでは、こうした高齢者の増加が
どういった問題を引き起こすのでしょうか。
順番に見ていきましょう。
医療・介護問題
2025年、要介護(要支援)者の数は755万人、
認知症高齢者も470万人になると予測されています。
それに伴い、249万人の介護従事者が必要とされますが、
人材の目処は未だにたっていません。
例えば、毎日介護が必要な高齢者10人に対し、
介護士がたった1人しかいないという場面を想像してみましょう。
このような場合、
・介護士を見つけることができない(介護難民)
・高齢者が高齢者を介護する(老老介護)
・介護士が高齢者を介護することに疲れる(介護疲れ)
・介護を受けることができずに亡くなる(孤独死)
といった悲惨なケースが考えられますが、
今後はこれが当たり前になってくるのです。
また高齢者数の増加は当然、介護保険費用の増加にもつながるので、
2025年の保険料は今より3200円もアップするとされ、
介護が必要な高齢者自身の負担はさらに大きくなるのです。
「高齢者の介護を社会全体で支え合う」ために
消費税などの税金もこれからどんどん上がっていくことでしょう。
死亡者数の増加
高齢者数が増加するに伴い、
死亡者数も増加することになります。
厚生労働省の調べによると、
年間死亡者数は今後急増し、2015 年には約 140 万人、
2025 年には約 160 万人に達するとされています。
死に場所がなくなる!?
現在8割以上の人が病院のベッドの上で最期を迎えていますが、
死亡者数が増加する「多死時代」に突入すると、
「死に場所」がなくなる可能性が高くなります。
医者の数にも限りがあるので、
高齢者が増えたからといって
すぐにベッド数を増やせるわけではないようです。
そのため、入院したくてもできないというケースが
いたるところで見受けられることになるでしょう。
「どこで死ぬか」について今のうちに
考えておいたほうがよさそうですね。
2025年に向けて私たちがやるべきこととは
【2025年問題】は、このように様々な問題があり、
・希望者が65歳まで働ける定年延長制度の義務化
・医学部の定員を増加し医者の数を増やす
・介護サービス付きの住宅(サ高住)の建築
などの対策がとられていますが、
未だ十分とは言えません。
日本国民一人一人がこの問題に向き合い、
どうして解決していくかを考えていくことが
ますます重要となってくるのではないでしょうか。